近年、多くの鉄道会社に広がる有料の着席サービスですが、明暗が分かれてきています。
■東急東横線「Qシート」サービス一部変更
去年8月、鳴り物入りで始まった東急東横線の有料座席指定サービス「Qシート」。グリーンを基調とした座席はゆったりとした専用シートで、無料のWi-Fiのほか、全席に電源コンセントが付いています。 そんなQシートですが、7日からサービスを一部変更します。 東急電鉄「利便性向上ならびに現在の利用状況を鑑み、サービス時間帯を拡大し、対象車両数を変更いたします」 1日5本だった運行を2本増やして7本にする一方、これまで2両だった対象車両は1両に削減。利用者が伸び悩んでいることによる措置です。 先月午後8時半ごろ、中目黒駅に停車した東横線の様子です。Qシートと書かれた車両は乗客がまばらで、空席が目立ちます。一方、隣の一般車両は混雑しています。
Qシートのある列車が、渋谷から横浜までの時間にして30分ほどの距離しか走っていないことが、こうした状況を生む要因の一つとみられます。
鉄道ジャーナリスト 枝久保達也氏「渋谷からの移動距離が短いわけですし、500円とかそれぐらい出すとなると、ちょっと金額に見合わないなというのが、利用者の感覚、反応なんでしょうね」
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■「座りたい」便利なサービスへの試行錯誤■「座りたい」便利なサービスへの試行錯誤
近年、広がりつつある「着席ニーズ」。関東の大手私鉄を中心に専用車両の導入が進んでいるほか、JR東日本は今年度末以降、中央線を走る車両に新たにグリーン車を導入することを発表。いずれも、走行距離はQシートを大きく上回り、「座りたい」というニーズに対応します。一方、Qシートに対する利用者の声は…。
東横線の利用者「混んでいても、立っていたらいいかなって感じなんで。(利用)しなくていいですかね」
「自分も使わなくていいかなと」 直通している東京メトロ副都心線にまで運行区間を拡大すれば、新宿や池袋を通ることになるQシート。東急電鉄は、他社線への直通も含め、様々なサービスの改善を検討しているということです。 枝久保氏
「少なくとも東横線と副都心線のリレーというのは、段階的に色々な検討というか、相談はしているとは思います。自社の利用者層とか特性を踏まえながら、サービスを色々組み合わせて広げていくことになるのかなと思います」
次の一手はまだはっきりとは見えませんが、便利なサービスに向けて、試行錯誤が続きます。
(「グッド!モーニング」2024年5月7日放送分より)
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