「動物虐待」という批判が上がっていた三重県の上げ馬神事が、内容を大幅に見直して開催されました。
■「動物虐待」批判受け…壊された伝統の壁
三重県の無形民俗文化財に指定され、およそ700年の歴史を持つ「上げ馬神事」。今年も多くの人が集まりました。この「上げ馬神事」は、元々は馬が坂の上に設けられた壁を乗り越える回数で、その年の農作物の出来を占います。
しかし、去年、けがをした馬1頭が殺処分され、動物虐待だと批判が噴出しました。そのため、今年はある改善策がとられました。
多度大社御厨総代会 伊藤善千代会長「いわゆる壁の部分を取り壊したところであり、万が一の負傷に備えて、神事中は上げ坂付近に獣医師と馬運車を待機させます」 神事に先立ち、実際のコースでは馬を走らせ、入念な確認作業も行われました。 こうして迎えた神事当日、伝統の壁を壊したことで、大きな変化が生まれました。
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■動物愛護団体と観客が言い争いも■動物愛護団体と観客が言い争いも
今年も行われた伝統の「上げ馬神事」。ただし、今年は坂の上で待ち受ける高い壁がありません。 参加した馬は、スイスイと坂を駆け上がり、1頭もけがすることなく、神事は終了しました。元々は、壁を越えられるかどうかがこの神事の醍醐味ですが、見物に訪れた人たちは次のように話しました。
見物客「あの坂は歴史として残してほしかったなと。間違いなく(馬が)上がるので、いいんじゃないかな。大豊作かなみたいな」
「ちょっと張り合いないのは確かなんですけれども、これは時節柄でしょうがないと思う」
神事を見守っていた三重県の担当者は、次のように述べました。
三重県医療保健部 南川喬子氏「医療保健部で監視を行ったが、動物愛護法に抵触するような大きな行為はありませんでした」 一方、会場では動物愛護団体が抗議活動を行い、観客と言い争いになって、警察が止めに入る場面もありました。 神事に反対する人
「傾斜は最大で45度くらいでしょうか。サラブレッドの能力に対して非常に過酷な坂ですね」
主催者は、今後も専門家の意見を聞きながら見直しを続けていくということです。
(「グッド!モーニング」2024年5月7日放送分より)
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