技能実習先の事業主から性行為を強要されるなどの被害を受けたとして、カンボジア国籍の女性3人が16日、栃木県でいちご農園を営む男性に約9千万円の損害賠償などを求める訴えを東京地裁に起こした。
訴状によると、3人は2022~23年、男性の農園で作業の実習に従事。うち1人の20代女性は、男性から「ダメと言うなら帰国させる」と脅され、性行為を繰り返し強要された。23年1月に妊娠が発覚すると、日本語が十分に理解できない女性は男性の指示で中絶の同意書に署名させられ、手術を受けた。ほかの2人も胸や尻を触られるなどしたという。3人は同年4月、岐阜県内の労働組合に被害を訴え、農園から避難した。
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原告側は、男性が3人の脆弱(ぜいじゃく)な立場につけ込み性加害をしたと主張。男性の行為は「重大な人権侵害」だとして、精神的苦痛に対する慰謝料や未払いの残業代の支払いを求めている。
性行為と中絶を強要されたと訴える女性は、支援団体を通じて「すごく怖かったけれど、カンボジアに帰国させられてしまうと思うともっと怖かった。日本に来るために借金をしていて、帰るわけにはいかないので、黙って耐えた。私のような被害者が、これ以上出ないように、助けてください」とコメントした。
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