湯河原町の冨田幸宏町長(66)=写真=が5日夜、病院で死去した。血液のがんで昨年8月から公務を離れ、造血幹細胞移植手術を受け、昨年末にいったん退院した。本人の希望もあり、通院治療をしながら3月議会初日の2月13日に公務に復帰。議会あいさつで「全面復帰への思いを持っている」と述べていたが、移植細胞が体を異物と認識する症状が出始め、3月下旬から再び検査入院していた。 冨田さんは町出身で、2000年から町議を2期7年務め、07年の町長選で初当選。現在5期目だった。42歳まで24年間、町内の消防分団で活動。15年に町内の民家の焼け跡で女性の刺殺体が見つかった事件では、火災の一報にいち早く現場へ駆けつけ、安否確認のため玄関を蹴破るなどして消防へ引き継いだ。 廃止予定だったJCHO湯河原病院を旧湯河原中学校跡地へ移転、存続させたほか、隣接の防災コミュニティセンターを含む防災拠点や湯河原駅前の整備、温泉場地区の旅館再生や万葉公園再整備に尽力した。 死去に伴う町長選の日程は未定。高橋正副町長が職務代理者を務める。(西岡聖雄)
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