◆森林約65haに計画…地域住民の懸念とは
「メガソーラー反対」メガソーラー計画に反対する住民が立てたのぼり旗。風雨にさらされ破れている=静岡県函南町で
町内の公民館に立てたのぼり旗は長い月日の中で、文字が読めなくなるほど破れてしまった。函南町の住民団体「丹那の自然と生命(いのち)を守る会」の塩崎敬子理事は「この旗も雨風に打たれ頑張ってくれた」と笑う。 全国で再エネ事業を手がける「ブルーキャピタルマネジメント」(東京都)は、函南町軽井沢地区の65ヘクタールの森林に太陽光パネルを設置するメガソーラー事業を計画。売電は中部電力子会社トーエネック(名古屋市)が担うとして、2019年7月に森林法に基づく県の林地開発許可を受けた。 住民は景観悪化のほか、森林伐採により木々の貯水機能が失われて水害や土砂災害が起き、下にある集落に影響を及ぼすことを懸念し、反対の声を上げた。 町は2019年10月に再エネ発電事業などに町長の同意を必要とする条例を施行。住民側は条例の適用を求めたが、町は「ブルー社の計画は施行前に許可されたものだ」と応じなかった。◆「反対してもしょうがにゃーら」
「守る会」は2021年1月に発足した。塩崎理事は「反対の立場だが、行政を厳しく追及するだけでなく、議論する中で解決を目指した」と話す。同年6月30日に川勝平太知事(当時)に面会し対応を求めた。メガソーラーの反対運動を振り返る丹那の自然と生命を守る会のメンバー=静岡県函南町で
その3日後。隣の熱海市で住宅地の上に造成された盛り土が原因とされる土石流災害が発生。災害関連死を含め28人が亡くなった。過度な開発行為の危険性を再認識し、2022年には許可を出した県に取り消しを求める請願を出した。だが県も「法律の要件を満たしている」と動かなかった。 メガソーラー計画には、事業者から土地の賃料を受け取るなどして利益を得られる住民もいたという。守る会の近藤直子事務局長は「小さな町に賛成の人も反対の人もいて、自分の意見を言いたがらない人が多かった。話をすると『反対してもしょうがにゃーら(しょうがないでしょう)』と言われた」と振り返る。◆「事業開始の見通しが立たない」
ブルー社は工事前に必要な環境影響評価の手続きを進めた。守る会はすぐに計画を止める手だてがない中、調査の不備などを指摘し事業を遅らせることに注力した。そんな中でトーエネックは2023年1月に「事業開始の見通しが立たない」として撤退を表明した。ブルー社には目立った動きはなく、事態は膠着(こうちゃく)した。 今年10月末、ブルー社は県に事業廃止通知書を提出した。「こちら特報部」は同社に理由などを問い合わせたが、期日までに回答がなかった。函南町の仁科喜世志町長は11月26日の会見で「事業が白紙に戻り、町としては非常にありがたい朗報だ」と述べた。 塩崎理事は「住民が諦めずに声を上げ続けたからこそ今回の結果につながった」と喜ぶ。近藤事務局長は「熱海土石流で問題への関心が高まったこと、トーエネック撤退で事業が難しくなったことも影響したのでは。ここは運も味方したが、各地のメガソーラー問題は続いている」と話した。◆一時の「太陽光バブル」…不良業者も参入した
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