能登半島地震で甚大な被害を受けた奥能登地域2市2町で、28あった民間の医療機関のうち、7割以上が休診や診療時間を短縮するなど地震前の体制に戻っていないことが14日、能登北部医師会などへの取材で分かった。廃業も1カ所あった。地域のコミュニティー維持に欠かせない存在でありながら、被災から1年近くたっても苦境が続く実態が浮かんだ。
同医師会によると、奥能登地域(石川県輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)には地震前、民間の病院が1カ所、診療所が27あったが、珠洲市の「あいずみクリニック」は医療機器が壊れたことなどを理由に廃業。ボランティアの活動拠点になっている。
能登町の柳田温泉病院と輪島市の1診療所が、建物が「全壊」と判定され、現在も診療を休止している。
奥能登は山がちで集落が点在する。同医師会によると各集落にある医院やクリニックなど民間診療所のうち、6カ所が地震で半壊以上の被害を受けた。少なくとも19診療所が診療時間の短縮や変更をして対応しているという。自宅が全半壊した医師が複数いる。
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