核兵器廃絶を求める活動を続ける「高校生平和大使」の長崎、広島、熊本の代表4人は、ノルウェーの首都オスロで行われた日本被団協のノーベル平和賞の授賞式に出席したほか、現地の若者と議論するイベントなどに参加しました。
帰国から一夜明けた14日午前、4人は都内で記者会見を開きました。
このなかで、長崎県の被爆3世の津田凜さんは、授賞式で田中熙巳代表委員が演説したときの会場の様子について「たくさんの人が涙を流し、耳を傾けていて、どれだけ多くの人が被爆者の思いに心を動かされ、胸が熱くなったかを感じた。被爆者の経験や思いを無駄にしない活動を続けていきたい」と述べました。
また、現地のイベントで「高校生平和大使」の活動を紹介したときのことを振り返り「『ビリョクだけどムリョクじゃない』というスローガンに、YESという力強い声と拍手をいただいた。ふだん、高校生が活動したところで世界は変わらないという声をいただくこともあり、無力さを感じる日々も正直あったが、ノルウェーの方々の反応に励まされた」と話していました。
4人は後日、それぞれの県で報告会を開くことにしています。
各県の「高校生平和大使」は
熊本県の島津陽奈さんは、田中熙巳代表委員が10年後には直接の体験者として証言できる被爆者が数人になるかもしれないと触れたことについて「100%届けることは難しいかもしれないが、被爆証言を聴くことができる最後の世代である私たち若者が核兵器廃絶を日本や世界に強く訴えていこうと改めて感じた」と話していました。
長崎県の被爆3世の大原悠佳さんは「世界で核軍拡が進むなか、被爆者が高齢化して被爆証言の伝承が難しくなり、核軍縮に向けて厳しい状況になっている。そのことをしっかり理解し、私たちが何をしていくべきか、それぞれの場所に戻って考え、活動につなげていきたい」と話していました。
広島県の甲斐なつきさんは、オスロの高校生との議論を振り返り「被爆証言をどう後世に伝えていくか、核兵器は二度と使われてはならないという『核のタブー』の持続のために、どう行動していったらよいか、若者一人一人が意見を持つことが大切だと思った。若者主催のディスカッションやイベントを通して、強い意見を持てる環境を作っていきたい」と話していました。
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