パネルコーナーで、『マイナ保険証』の運用についてお伝えしましたが、視聴者の皆様から、多くのご意見・ご質問を頂いています。
■「顔認証」難しい子どもや高齢者 「目視確認」で対処可能
約3900件の反響の中には、特に、顔認証に関する意見が多く寄せられました。
「マイナンバーカードを持ってきたおばあちゃんがいましたが、腰が曲がって、顔認証の位置に届かない。車椅子ももちろん届かない。優しくないシステムだと思った」 「病院で、お子さんの受診の時にお母さんが抱っこして顔認証しなければいけなかった。お子さんも嫌だ嫌だと言って、なかなかできなかった」 「高齢者は、体調や一度の入院で顔つきがずいぶん変わる。元気な時に撮っている顔認証で通るの?」という疑問です。 この記事の写真は13枚顔認証が難しい場合、
<1>暗証番号も分からなければ、患者がマイナンバーカードを提示。スタッフが券面で本人確認します。
本人確認が済んだら、
<2>顔認証付きカードリーダーを『目視確認モード』に切り替え。
<3>マイナンバーカードをカードリーダーに挿入し、同意画面に従って、認証手続きを行います。
顔認証について、医療現場からの声です。
医療現場で働く視聴者の方です。「カードリーダーに顔をかざせない人が多く、高齢者が受診する際、マイナ保険証を預かってカードリーダーの前で一人一人対応しなければいけない。受付は確認が増えて混雑している。楽になっているのは行政だけ。病院にしわ寄せが来ている。保険証を預かって手入力の方が早い」
こんな疑問もありました。
「認知症で寝たきりの母に顔認証をどうやって行うの?ポータブルで持ち運びできるものでもあるのですか?」 厚労省に聞きました。「スマホなど、モバイル端末を用いて、資格確認を行うことが可能。顔認証機能はついていないが、専用のアプリを使用のうえ、目視で確認できる」ということです。
訪問看護の現場です。
訪問看護ステーションブロッサムの西村直之代表によると、「マイナ保険証の暗証番号認証や目視確認が行えるアプリが入った専用のスマホを用意したが、現状まだ使用する機会がない」ということです。
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■どうする?「マイナカード」更新手続き 2025年は更新者殺到?■どうする?「マイナカード」更新手続き 2025年は更新者殺到?
更新に関する意見です。
「マイナンバーカードの電子証明の更新手続きに行こうとしたら、日時予約制で3週間先まで予約がいっぱいだった」マイナンバーカードの有効期限は、発行日から10回目の誕生日までですが、カードに搭載された電子証明書の有効期限は、発行日から5回目の誕生日までとなっています。
番組が取材したある自治体では、電子証明書の更新は原則、日時予約制です。
市内には更新できる窓口が出張所など含めいくつかありますが、市庁舎窓口では現状、2週間待ちです。
理由は、更新だけでなく新規のカード交付も同じ窓口で対応しているためです。
さらに来年は、マイナカード2025年問題があります。
ポイントが付与される『マイナポイント事業』開始から5年。
2025年度は約2750万人が、更新が必要です。
2024年度は1076万人だったので、2倍以上です。
更新者殺到で、自治体の窓口がパンクする可能性があります。
「2025年に関しては、人員を増やしたり、業者に委託したりするなど、住民の方に不便がないよう必要に応じてやっていく」ということです。
期限までに更新できなかったら、マイナ保険証はどうなるのでしょうか。
<1>有効期限の3カ月前を目安に、封書で更新の案内が届きます。
<2>有効期限が切れても、3カ月間はオンラインでの資格確認が可能なので、引き続き、医療機関などで受診が可能です。(医療情報などの提供は不可)
<3>つまり、受付などでは、顔認証付きカードリーダーで、マイナ保険証を利用することが出来ます。
<4>また、有効期限が切れると、保険者から資格確認書が送られてきます。
<5>届く時期は、有効期限切れ3カ月後までです。
有効期限3カ月後 以降については、交付された資格確認書で受診が可能です。
しかし、マイナ保険証として再び使用するには、電子証明書を更新の上、再び利用登録が必要です。
前回、マイナ保険証の有効期限が切れてから、資格証明書が交付されるまで空白の期間があるのでは、というような話もありましたがそれはないようです。
■紙の医療証「マイナ保険証」に一体化 先行実施の自治体も
『医療証』に関するご意見です。
「マイナ保険証には、医療証などの機能も搭載されているのでしょうか?保険証が減っても、その他の紙ものを持ち歩くので便利と感じることは少ない」医療証とは、子ども、障がい者などの医療費助成に必要な証明書です。
現在、マイナ保険証とあわせて持参する必要があります。
こうした中、デジタル庁が先行実施しているのが、全国5自治体において、各種医療証をマイナ保険証に一体化するという取り組みです。
参加している愛知県一宮市では、3月末から市立病院で、マイナンバーカードを医療証として使用可能になりました。
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■マイナ保険証『紐づけ解除システム』追加などで多額の費用■マイナ保険証『紐づけ解除システム』追加などで多額の費用
マイナ保険証の紐づけを解除するシステムについてです。
2024年10月末から、マイナンバーカードと保険証の紐づけ解除が可能になりました。
解除すると『資格確認書』が交付されます。
過去には、トラブルもありました。
滋賀県栗東市では、2022年、女性がマイナポイント付与の手続きを受けていた際、市職員が誤って保険証を紐づけましたが、紐づけを解除できない仕組みになっていました。
こうしたことを受けて、政府は2023年8月、紐づけ解除の機能追加を決定しました。
“紐づけ解除システム”の導入にかかった費用です。
2023年11月、国会で共産党の宮本前議員が、「登録を解除するシステム改修予算の額は、いくらか?」と質問しました。 2024年12月11日、改めて、番組が厚労省に金額について聞いたところ、
「資格確認書を交付する機能や、マイナ保険証の登録解除などのシステム改修を含め249億円」だということです。
マイナ保険証のシステム開発段階、2019年4月の『仕様書』には、登録解除の機能が盛り込まれていたことがわかっています。
『紐づけ解除システム』をめぐる流れです。
2019年4月時点では、『仕様書』に紐づけ解除についての記載がありました。
システム構築にかかった費用は468億円です。
2021年10月、マイナ保険証が本格運用されましたが、仕様書にあった『紐づけ解除』の機能がなくなっていました。
紐づけ解除の機能を入れなかった理由について、厚労省は、「システムの開発に着手した当時は、保険証の新規発行を終了する方針を決定する前で、(紐づけ解除の)優先度が低かった」としています。
2023年11月、紐づけ解除を含めたシステム改修に249億円の費用が計上されました。
そして、2024年10月、紐づけ解除が可能になりました。
かかった経費の合計は723億円となっています。
宮本前議員は、「470億円近いお金をかけておきながら、250億円の経費をかけてシステム改修は二重投資だ」と指摘しています。 『二重投資』との指摘について、厚労省の担当者です。
「利用登録の解除機能は、今回、資格確認書の発行などのためのシステム改修とあわせて初めて実装するものであって、二重投資には当たらないと考えている」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2024年12月12日放送分より)
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