2015年に長野県で中学生が車にはねられて死亡した事故を巡り、ひき逃げの罪に問われた男の裁判で、最高裁が弁論を開きました。男に無罪を言い渡した2審の判決が見直される可能性があります。

 2015年8月、佐久市の路上で当時中学3年生だった和田樹生さん(当時15)が車にはねられ死亡しました。

 車を運転していた池田忠正被告(52)は事故の後に飲酒を隠そうとコンビニ店に口臭を防ぐ商品を買いに行ったとして、ひき逃げの罪に問われています。

 裁判の主な争点は池田被告がコンビニ店に立ち寄ったことが救護義務違反にあたるかどうかで、1審の長野地裁は義務違反にあたるとして懲役6カ月の実刑判決を言い渡していました。

 一方、2審の東京高裁は立ち寄った時間は1分余りだったと指摘し、「被害者の捜索をし、発見された後は実際に救護措置を講じている」などとして1審の判決を破棄して無罪を言い渡しました。

 この判決を不服として検察側は上告していて、最高裁は今月13日に弁論を開きました。

 検察側は2審判決について「利己的な行為を過少評価していて不当な判断」などとして、破棄すべきと述べました。

 一方、弁護側は「2審判決の判断は検察官が主張するような誤りはなく、被告に救護義務違反は成立せず無罪である」と主張しました。

 弁論は判決を変更するのに必要な手続きで、2審の無罪判決が見直される可能性があります。

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