寝たきりだった92歳の母親の首を絞めて殺害した罪に問われている61歳の息子の裁判で、息子が事件の数日前に母親から「楽にしてちょうだい」と殺害を依頼されたと主張しました。
前原英邦被告は、おととし、東京・葛飾区の自宅で母親の房子さん(当時92)の首をひもで絞めて殺害した罪に問われています。
12日、東京地裁で開かれた被告人質問で、前原被告は、事件の数日前に房子さんから「楽にしてちょうだい」などと殺害を依頼されたと主張しました。
前原被告が「分かったよ。一緒に死のう」と答えると、「『ありがとうよ』と涙を流した」と証言しました。
また、房子さんに言いたいことはないかと問われると、「もしあの時に戻れるのであれば、もう一度やり直せたらと思う」と言葉を詰まらせながら答えました。
これまでの裁判で検察側は、「経済的困窮から重度の認知症がある母親を殺害した」と指摘し、殺人罪が成立するとしています。
一方、弁護側は前原被告が房子さんから殺害を依頼されたと主張しました。
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