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大阪地検の元トップが酒に酔った部下に性的暴行を加えた罪に問われている裁判。被告が一転して無罪を主張したことを受け、被害を訴えている女性検事が会見し、「被告人がどのように主張しようと真実はひとつ」と裁判に向けた決意を語りました。

■女性検事が会見「泣き崩れた」

この記事の写真 被害を訴えている検事                               「10日、元検事正・北川健太郎自身が犯した準強制性交等の罪について否認に転じ、無罪を主張していることを知り、絶句し泣き崩れました。今の率直な気持ちを申し上げると、被害申告なんてしなければよかった。痛みをこらえながら一人で抱えて我慢すればよかった。そうすれば、ここまで苦しい思いをさせられることもなかった。家族を苦しめることもなかった。検事としてのキャリアを失わずにすんだ。組織のトップから受けた性犯罪被害を訴えることが、これほど恐ろしく、これほどまでにひどく傷つけられ続けることだと思いもしなかった。私はただ再び苦しんでいる被害者の方々に寄り添える検事の仕事に戻りたかっただけなのに」

昨夜は眠れず、朝、学校へと見送った子どもの前でも涙が止まらなかったといいます。

大阪地検のトップ、検事正だった北川健太郎被告(65)は、部下だった検事に性的暴行を加えたとして、準強制性交の罪に問われています。

6月の逮捕後は「同意があると思っていた」などと容疑を否認。ただ、10月の初公判では起訴内容を認め、謝罪していました。ところが、また一転。今月10日に無罪を主張する方針を明らかにしたのです。

被告の弁護人 中村和洋弁護士                            「北川さんには事件当時(女性が)抗拒不能だったという認識はなく、また同意があったと思っていたため、犯罪の故意がない。従って無罪ということになる」

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■女性検事が会見「姑息な主張」

被告側が一転「同意はあった」としたことについて…。

被害を訴えている検事                              「性犯罪事件において、どのように主張すれば逮捕や起訴を免れやすいか、無罪判決を得やすいかを熟知した“検察トップ”にいた元検事正が、主張を二転三転させて被害者を翻弄し、世にまん延する『同意があったと思っていた』という姑息な主張をして無罪を争うことが、私だけでなく、今まさに性犯罪被害で苦しんでいる方々をどれほどの恐怖や絶望に陥れ、被害申告することを恐れさせているか。今後、さらに多くの性犯罪者に『同意があったと思った』と主張させ、性犯罪の撲滅を阻害し、むしろ助長させることになるかを知ってもらいたかった」

そもそもなぜ、被告側がここにきて無罪を主張し始めたのでしょうか。

被告の弁護人 中村和洋弁護士                           「一部、事件関係者に生じた情報漏洩等に係るあらぬ疑いや、検察庁に対する組織批判により、北川さんは『このような方針が間違っていたのではないか』と悩み、自らの記憶と認識に従って主張することにした」

こうした説明を、どう受け止めたのでしょうか。

被害を訴えている検事                               「自己保身ゆえに再び否認に転じたのだと思う。“検察トップ”にいた人が事件から6年もの間、一度たりとも被害者の苦しみを想像せず、真に罪を償おうと思うことがなかったことは、被害者としても悲しく、検事としても情けない。被告人がどのように主張しようが真実はひとつです。司法の正義を信じます。“検察トップ”が犯した重大な罪と、被害者を傷つけ続ける無反省で無神経な言動に見合った、長期の実刑判決を求めます」 この記事の写真を見る
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