関係者によりますと、「都議会自民党」が過去に開いた政治資金パーティーでは、一部の都議が販売ノルマを超えて集めた分の収入が、「都議会自民党」の政治資金収支報告書に収入として記載されていない疑いがあるということです。

これまでに開かれた政治資金パーティーでは、都議1人当たりにパーティー券50枚、金額にして100万円分の販売ノルマが課されていましたが、ノルマを超えて集めた分の収入は「都議会自民党」側に納入せず、いわば裏金として都議側が使う運用が行われていたということです。

11日、自民党会派の幹事長を務める小松大祐都議が記者団の取材に応じ、「専門家の意見を踏まえながら調査を進めている。公党として責任ある対応が必要だと思う」と述べて、調査結果がまとまりしだい詳細を公表する考えを示しました。

政治資金パーティーをめぐっては、自民党の派閥がノルマを超えて集めた分を派閥の収支報告書に収入として記載せず、議員側にキックバックするなどしていたとして問題となりましたが、都議会に議員30人を擁する最大会派の都議会自民党でも、同じような疑いが浮上したことになります。

収支報告書のパーティー券収入額は

「都議会自民党」は去年までの5年間に2回、都内のホテルで政治資金パーティーを開催しています。

政治団体の収支報告書によりますと、2019年12月23日には、新宿区内のホテルで「東京都議会自由民主党飛躍のつどい」という名称の政治資金パーティーが開かれ、3123人がパーティー券を購入し、6246万円の収入があったと記載されています。

おととし5月10日には、同じホテルで「東京都議会自由民主党躍進のつどい」という名称の政治資金パーティーが開かれ、2357人がパーティー券を購入し、6112万円の収入があったと記載されています。

自民党関係者「『中抜き』は10年以上前から」

都議会自民党の関係者はNHKの取材に対し、議員側がパーティー券をノルマを超えて販売した場合、都議会自民党に納入せずに手元に残す、いわゆる「中抜き」が以前から行われていたと証言しました。

この関係者は「中抜きは10年以上前から行われていたと思う。パーティー券50枚、100万円分は都議会自民党にノルマとして納めることになっていたが、それを超えた分は自分の収入になるのが『当たり前』のことのように話が進んでいた」と話しました。

そのうえで「パーティー券を売る力のある議員や企業が多い地域の議員は、中抜き額が多くなっている可能性がある」と話していました。

1月に大学教授が刑事告発

都議会自民党の政治団体をめぐっては、2019年と2022年の政治資金パーティーで、20万円を超えるパーティー券を購入した一部の団体名や金額を、政治資金収支報告書に記載していなかったことについて、ことし1月、大学教授が政治資金規正法違反の疑いがあるとして東京地検特捜部に刑事告発しています。

告発を受けて特捜部は、こうした記載が行われた経緯などについて、都議会自民党の関係者から事情を聴くなどして、慎重に調べを進めるものとみられます。

また、この記載について都議会自民党は去年11月、2019年と2022年のパーティー券を20万円を超えて購入した団体名を追記し、収支報告書を訂正しています。

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