動画投稿アプリTikTok(ティックトック)で、金髪にギャルメイク、制服姿で恋に不器用な女子高生の青春模様を演じる。30万人のフォロワー数を抱えるTikToker(ティックトッカー)の 山本絢香(やまもと・あやか)さん。人気の理由は華やかな見た目だけではない。「不良」時代を乗り越え、いくつもの国家資格に合格した努力家の一面もフォロワーに勇気を与えている。 厳しい親への反発と、派手なファッションへの憧れから中高生時代は金髪、厚化粧にミニスカートのいわゆる「ギャル」。殴り合いのけんかや家出もした。全日制高校を退学し、通信制高校卒業後も仕事は長続きせずバイトを転々とした。
◆SNSで「資格取る」宣言、ネイルサロンで「六法」勉強
転機は20歳。部屋探しで不動産店を訪れた際、難しい言葉で説明する宅地建物取引士が格好良く見えた。「私も国家資格がほしい」。そんな思いに駆られ、資格受検予備校に通い始めた。ジャージーにサンダル姿で、周囲から浮いていたと、当時を振り返る。 TikTokを始めたのもこのころだ。「今年宅建を受験します」と投稿で宣言すると応援の声が殺到。その後は毎日勉強し、旅行に行っても、友人の就寝後に勉強を重ね半年で資格に合格した。「自分もやればできると自信がついた」 自信はさらに道を広げることにつながる。予備校講師に「行政書士の資格を取ったら」と勧められ、資格についてよく知らないまま、合格率十数パーセントの試験に挑戦することに。美容院でのカラーの合間やネイルサロンでの時間は六法を勉強。友人とは恋バナの代わりに参考書から問題を出題してもらうなど、隙間時間は徹底して勉強に充てた。◆成績公開して自分に圧、合格報告動画190万回再生に胸アツ
自らにプレッシャーを与えるため交流サイト(SNS)ではその日勉強したことや、模試の結果などを載せた。一昨年、約1年の勉強で一発合格したことを伝える動画は190万回再生を達成。「応援してくれたみんなに喜んでもらえて、胸がぎゅーっと温かくなった」 昨年、行政書士試験の勉強法を紹介する書籍「TikTokerばななちゃん、行政書士になる!」を出版。現在は週5回の動画配信を続けながら、行政書士事務所とエネルギーや教育に関する事業の会社を経営する。昔の自分に、今の姿は想像できなかった。だから自分の夢が見つからない人にはこう伝えたい。「人との出会いの中で、あるとき突然やりたいことが見つかる。夢がなくても焦らず、今やりたいことをやりつくして」(小沢慧一)<TikTok> 音楽に合わせて15秒程度の短い動画を作り、投稿できるアプリ。ライブ中継をする動画配信機能もある。若い世代を中心に人気があり、利用者は世界で10億人を超える。
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