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 山梨県にある富士五湖・本栖湖で名物のヒメマスが激減しています。漁協は「何者かによって持ち込まれた外来種の巨大イワナがヒメマスを食べ尽くしている」と訴えています。

■釣れないヒメマス 初の解禁見送り

本栖湖を取材 この記事の写真

 勢いよく湖へ泳ぎだしていくのは、ヒメマスです。それは、かつてない異変を物語っていました。

「本栖ブルー」異変

 富士五湖の本栖湖。青く透き通る湖は「本栖ブルー」とも呼ばれます。特にこの時期は、本栖湖のヒメマス釣りが解禁され、観光客であふれるのですが…。

 本栖湖に通い詰めて30年になる杉山和己さん(56)は、「ボートを出すけど、なかなかヒメマスが釣れない」と話します。

 かつては30匹釣れることが当たり前だったヒメマスですが、今では1匹も釣れない日もあるといいます。

初の解禁見送り 杉山さん 
 「本来そこにいるべきものがいなくなってしまった。元の数年前の本栖湖に戻ってほしい」

 本栖湖漁協は試し釣りを10月に実施しましたが、ヒメマスは釣れず、秋の解禁を初めて見送りました。その原因は…。

本栖湖漁業協同組合 伊藤正一組合長 
 「レイクトラウトという魚に食べられてしまう。本来、レイクトラウトは中禅寺湖(栃木県)にしかいないはず。それがこの湖で釣れた」

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■ヒメマス保護へ 新たな取り組み

■ヒメマス保護へ 新たな取り組み

「レイクトラウト」とは

 ヒメマスを食い荒らしているという外来種「レイクトラウト」とは、一体どのような魚なのでしょうか?

山梨県水産技術センター 三浦正之主任研究員 
 「(Q.結構大きいですね?)」
 「そうですね。これでも小さいほう」

 見せてもらったのは、本栖湖で釣れたおよそ50センチのレイクトラウトです。大きいもので1メートルにもなるといいます。

三浦主任研究員 
 「中禅寺湖にしかいなかったが、本栖湖で初めて確認されて、気付いたらかなりの数が生息していた」 捕獲した魚のおよそ3割

 肉食でヒメマス1匹を丸のみするほど、獰猛(どうもう)なレイクトラウトは寿命が40年と長く、繁殖力が強いことが特徴です。

 本栖湖ではおととし、初めて見つかりました。1年後の調査では175匹が確認され、捕獲した魚のおよそ3割を占めるまでに増えています。

持ち出し禁止

 日本で唯一の生息地だった栃木県・中禅寺湖では、レイクトラウトの生きたままの持ち出しは禁止されているはずですが…。

伊藤組合長 
 「(Q.レイクトラウトは誰かが放した?)」
 「そうですね。レイクトラウトも結構な量で繁殖している。どの程度、ヒメマスが残ってくれるのか」 ヒメマスを守るために

 このままでは、ヒメマスがいなくなってしまう…。そのため、例年行われてきた稚魚の放流を取りやめ、成魚にまで育ててから放流し、少しでも食べられないよう工夫を始めました。

伊藤組合長 
 「今、放流された魚が来年の春にヒメマス解禁になる。残っていってくれるとありがたい」

(「グッド!モーニング」2024年12月11日放送分より)

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