建設現場でアスベスト(石綿)を吸い、健康被害が生じた元労働者や遺族らが建材メーカー12社に損害賠償を求めた東京第1陣訴訟の差し戻し審で、東京高裁(増田稔裁判長)が26日に和解案を提示する方針であることが10日、原告側弁護団への取材で分かった。東京第2陣訴訟も同高裁が来年1~2月に和解案を示す見込み。
弁護団などによると、全国で起こされた同種訴訟32件のうち、東京第1、2陣訴訟の原告は400人超で、全国の原告の約3割を占める。
東京第1陣訴訟は2008年に起こされた。最高裁第1小法廷は21年5月、この訴訟を含む4件の上告審判決で、適切な規制を怠ったのは違法として国の責任を認定。メーカーに「共同不法行為」が成立し得るとした。東京第1陣訴訟については、メーカーの損害への関与度を原告ごとに検討する必要があるとして審理を高裁に差し戻した。
高裁は23年10月、和解を勧めて結審。弁護団によると、結審時点の原告数は347人で、最高裁でメーカーの責任が認められなかった41人を除く306人が和解対象になる。
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