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 あらゆる職業になりすます事件があるなか、「住職のなりすまし」が登場した。          

【映像】“なりすまし住職”が門徒に配った謎のカレンダー

 西方寺(東大阪市)の僧侶は、「ここの住職と偽って、10年以上もなりすましをしていた僧侶がいる」と語る。僧侶によれば、西方寺を名乗って法要や葬儀を執り行い、お金をだまし取り、被害額は1億19万円になるという。

 なりすましを知ったのは2023年11月、この寺の門徒が「西方寺でいつも来ていただいている住職の方」と言ったため。西方寺は当時、前任の住職が亡くなり、住職がいなかった。不思議に思った僧侶は、その“西方寺の住職”に会いに行った。

 スクーターに乗ってきたその人物は「他の寺の所属」だとわかった。西方寺とは「全く関係ない」ものの、その人物の父親は「西方寺の普通の僧侶」だった。父親の死後、西方寺の門徒名簿を勝手に引き継ぎ、なりすましていたようだ。

 西方寺の僧侶が、なりすました理由を問い詰めると、「遺言書がある」と言ったという。しかし、「遺言書の有無にかかわらず、寺の住職は遺言で決まるものではない。任命や承認を得て、寺の本山から拝命する。簡単には住職にはなれない」のが現状だ。

 西方寺側は、なりすましていた僧侶を相手取り、民事訴訟を起こした。約1億円の損害賠償を請求するも、1回目の弁論で僧侶側は、請求を棄却するよう求めた。

 寺院をめぐっては、少子化や檀家(だんか)離れによる経営難が深刻で、破綻する寺も増えると指摘されている。また、複数の寺の住職を兼務している場合も多い。これらの問題が背景にあったのか。真相を知ろうと、住職になりすました人物を訪ねるも、話を聞くことはできなかった。

 同業者である善念和尚は、「なりすましは、あまりない」と話す。「(住職のいない)“空き寺”は全国にあるが、そこに勝手に入り込むのは難しい」としつつ、「法事だけなら派遣業者から、お坊さんが来ることも最近はある」と説明。その上で、「もっと(檀家と寺側が)コミュニケーションを取れていれば、こんなこと起きなかったのではないか。一番は、人間と人間のコミュニケーションだ」と語った。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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