大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で無罪が確定した不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の山岸忍元社長(61)が国家賠償を求めた訴訟で、特捜部検事が取り調べた際の録音・録画データが20日に大阪地裁で開かれる弁論で再生されることが9日、分かった。山岸氏の弁護団が明らかにした。訴訟は20日に結審する見通し。

弁護団によると、当時特捜部に所属していた田渕大輔検事(52)が山岸氏の元部下を取り調べた際に「ふざけんな」「検察なめんなよ」などと罵倒し、机をたたく様子が収められている。再生されるのは約20分間分の予定。

地裁は2023年9月、計約17時間46分に及ぶデータの証拠提出を命じ、国側が即時抗告。今年1月、大阪高裁が約48分に短縮し、山岸氏側が不服を申し立てた。同10月、最高裁が高裁決定を破棄し、地裁決定と同範囲の再生を認めた。

山岸氏は学校法人の土地売却資金21億円の横領を共謀したとして、19年に特捜部に逮捕、起訴された。大阪地裁は共謀があったとする元部下らの供述の信用性を否定。21年に山岸氏に無罪を言い渡し、確定した。〔共同〕

【関連記事】

  • ・元特捜部主任検事への告発状受理、横領無罪の元社長提出
  • ・無罪のプレサンス元社長「厳正な判断を」 国賠訴訟で陳述
  • ・取り調べデータ提出へ、最高裁初判断 大阪地検捜査巡り
関西セクショントップページはこちら

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。