オスロ郊外の空港に到着した日本被団協代表団の田中熙巳さん、箕牧智之さん、田中重光さん(左から、8日)=共同

【オスロ=共同】ノーベル平和賞の授賞式に出席する日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表団は8日、ノルウェーの首都オスロ郊外の空港に到着した。授賞式はオスロ市庁舎で10日午後1時(日本時間同9時)から開かれ、代表委員の田中熙巳さん(92)が演説する。

被団協によると、代表団は国内外の被爆者17人や被爆2世ら計30人。一部は海外から現地入りする。オスロに到着した田中さんは、授賞式での演説を前に「非常に緊張している」と話した。出発前には羽田空港で「核兵器絶対廃絶、人類と共存できないと叫び続けた被爆者運動を紹介したい」と語っていた。

授賞式では、いずれも代表委員で広島県原爆被害者団体協議会理事長の箕牧智之さん(82)と、長崎原爆被災者協議会会長の田中重光さん(84)も登壇する。

箕牧さんは「責任の重さを感じている。無念の思いで亡くなられた被爆者の皆さんに代わって訴える機会があれば」。田中重光さんは「79年前に原爆が人間に何をもたらしたか」を世界に伝えたいと話した。

代表団は地元高校や大学での証言活動を予定している。12日に帰国の途に就く。

非政府組織(NGO)ピースボートと原水爆禁止日本協議会(原水協)が合同で開催したツアーに参加した被爆者12人を含む50人ほどは8日までにオスロに到着した。授賞式をパブリックビューイング(PV)で見届ける。

【関連記事】

  • ・ノーベル平和賞、過去120年で111人30団体 国際情勢映す
  • ・平和賞、祝賀の裏で遠のく非核 世界のリアルと日本の葛藤
  • ・日本被団協「核廃絶、世界の活動に」 授賞式前に抱負

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。