ノーベル平和賞受賞が決定した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の被爆者ら代表団は8日午前、授賞式出席のため、東京・羽田空港からノルウェーの首都オスロに向け出発した。10日の授賞式では田中熙巳さん(92)=埼玉県新座市=ら代表委員3人が登壇してメダルと賞状を受け取り、田中さんが講演する。
オスロに入る見通しの代表団は、被爆2、3世を含む32~92歳の30人。羽田空港から出発したのは30人中23人で、デンマークのコペンハーゲン経由でオスロに9日未明(現地時間8日夜)に到着する。ほか7人は別経路でオスロに入る。
出発前に取材に応じた田中さんは、「被爆者がやってきたことをさらに続けていくには世界の支持も必要」と述べ、授賞式の講演では、核廃絶を訴えてきた日本被団協の取り組みを改めて説明するという。その上で、若い世代に継承してほしいことについても話す予定だ。
代表委員の箕牧智之さん(82)=広島県北広島町=も「世界中が平和を求めているはずなのに、一向に進まない」と憤り、「79年前の出来事を永遠に忘れてはいけない」と訴えた。
授賞式は10日午後9時(同午後1時)から開かれ、晩さん会も催される。田中さんら3人は翌日、ノルウェーのストーレ首相らと面会するほか、他のメンバーの被爆者は高校や大学で現地の若者と交流する予定。13日午前帰国する。
日本被団協は旅費をクラウドファンディングで募っており、目標額の4倍近くの約3900万円が集まった。
ノーベル平和賞の授賞式が行われるノルウェーのオスロへの出発を前に、取材に応じる日本被団協の田中熙巳さん(中央)ら=8日午前、東京・羽田空港
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