共同通信ナイロビ支局長だった沼沢均さん(共同)

 【ナイロビ共同】1994年にケニアで起きた飛行機事故で、共同通信のアフリカ特派員だった沼沢均さん=当時(36)=が亡くなってから6日で30年となった。「命を尽くし、天職を極めた」。親交があった日本人カメラマンらが追悼し、故人のアフリカ報道への情熱に思いをはせた。

 沼沢さんは青森市出身。92年からナイロビ支局長を務め、ソマリアの内戦報道などを担った。ルワンダ難民が押し寄せたザイール(現コンゴ)東部の情勢を取材するためチャーター機でナイロビを離陸直後、事故に遭った。同乗していたフジテレビの入江敏彦カイロ支局長=当時(32)=ら全員が死亡した。

 ナイロビに住むフォトジャーナリスト中野智明さん(65)は「欧米メディアと張り合い、日本の国際報道を引っ張る存在だった。ソマリアや、民主化を迎えた南アフリカで現場を共にした戦友だった」と振り返った。

 家族ぐるみで付き合いがあったケニア在住の牧師市橋隆雄さん(75)は「悲惨な状況を報じても、やがて関心は去り、悲惨さは残り続ける」と嘆く姿が忘れられないという。

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