仕込み作業をする南部美人(岩手県二戸市)の職人=同社提供

パラグアイ・アスンシオンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は4日(日本時間5日)、日本政府が推薦した日本酒や焼酎などの「伝統的酒造り」について、無形文化遺産への登録を決めた。

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国内では「能楽」や「和食」、豊作祈願や厄払いの踊り「風流踊」などに次いで23件目の登録となる。

伝統的酒造りは、コメや麦といった原料を発酵させ、日本酒や焼酎、泡盛、みりんなどを造る日本古来の技術。こうじを使って原料のデンプンを糖に変えながら、その糖を酵母がアルコールに変える「並行複発酵」という世界でも珍しい発酵技術をとる。

杜氏(とうじ)らによる手作業の技術で、室町時代に原型が確立され、500年以上にわたって国内各地の気候風土に応じて発展した。日本酒などは祭礼行事で使われ、日本の文化や習慣に欠かせない存在となってきた。

こうじ造りの準備をする南部美人(岩手県二戸市)の職人=同社提供

日本酒の国内消費量は近年は減少傾向にあるものの、海外では「SAKE」として人気が広がっている。輸出総額は2023年に411億円で3年前から1.7倍に増加した。

政府は21年、伝統的酒造りを国内の登録無形文化財に選定し、22年に無形文化遺産への登録をユネスコに申請。今年11月に評価機関が「社会にとって強い文化的意味を持つ」などと評価し、登録を勧告していた。

政府は伝統的酒造りに次いで「書道」の登録を目指している。

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