熊本地裁 公務災害認定の警察官自殺 県に6100万円余の賠償判決

2017年9月に熊本県警玉名警察署の刑事課に勤務していた渡邊崇寿さん（当時24）が自殺したことをめぐっては、4年前に長時間労働が原因だったとして公務災害に認定されました。

渡邊さんの遺族は「亡くなる前の5か月間の時間外労働はいずれも月130時間を超えていて、長時間労働によって精神的に追い詰められた」と主張して、県に対し7800万円余りの賠償を求めていました。

4日の判決で熊本地方裁判所の品川英基裁判長は「業務による精神的・肉体的な負荷は強度のものだった」と指摘し、業務と自殺との因果関係を認めました。

そのうえで「上司の職員は時間外労働の時間を削減するなどして、業務の過重さを解消する措置を講じていない」として、県に対し、6100万円余りを支払うよう命じました。

判決のあと母親の渡邊美智代さんは、「きょうの判決で初めて真の名誉が回復された。判決を聞いた瞬間は涙が出る思いでした」と話していました。

一方、熊本県警は「判決文を確認し、今後の対応を検討してまいります」とコメントしています。