◆厳しいけど「元気なことを知らせたい」
10億7000万枚。来年用の年賀はがきの当初発行枚数だ。今年の14億4000万枚から25.7%の大幅減となる。燃料費高騰によるコスト増などを踏まえ、10月から郵便料金を値上げした影響が大きいといい、「お客さまの需要を勘案すると、この数字は避けられない」。日本郵便の広報担当者はそう説明した。2025年の年賀はがきをPRするキャラクターたち=滋賀県大津市の大津中央郵便局で
実際街の人はどうだろうか。3日、東京・丸の内の東京中央郵便局周辺。「こちら特報部」が聞いた。 「自分が元気でいることを知らせたい。値上がりは厳しいが、お正月に年賀状はなくてはならないよ」。そう話すのは東京都文京区の市岡秀昭さん(81)。今年は地元の祭りでみこしを担いだ写真を使うという。◆くじ楽しみだったけど「さすがにとどめを刺された」
一方、妻の則子さん(72)は「私は今年限りかも」とつぶやく。「元々いつやめようかと思っていたけれど、値上がりに背中を押されてしまった」10月からの郵便料金値上げに向けて発売された切手。はがきは85円になった
こういった声は、やはり多い。江東区の女性(62)は「お年玉くじが、一年の運勢を占う感じで楽しみだったが、さすがにとどめを刺された」と話す。「年賀状に毎年、コピペのように『今年こそ会おう』と書いてきたが、そう書く間柄に限って会わない」 今年は見送る予定の男性(83)も「やりとりしていた人がどんどん亡くなっていく。値上がりしても、天国に出せるなら出したいが、さすがの郵便局さんもそれは無理じゃろ」。◆SNSと違って「手元に残る日本の文化遺産」
一方、「出す派」も根強い。定年後に習字を始めた土井恵三さん(67)は「文字はごまかせない。一文字ずつ心を込めて書いてきた」と熱い。埼玉県の製造業の男性(34)は「毎年必ず上司に送る。ちゃんとしてるやつだなって思ってもらえるし、悪いようにはされない。やってみたら」と記者に勧めた。 ベビーカーを押していた茨城県土浦市の男性(34)は「年賀状に子どもの写真を載せるのが夢でした」と目を輝かせた。「SNSは埋もれるが、年賀状は手元に形として残る。日本の有形文化遺産だと思う」販売が始まった年賀はがきを購入する人たち。手前は恐竜や大阪万博のイラストが入った年賀はがき=福井市の福井中央郵便局で
一方、子どもの写真を使った年賀状には別の意見もある。昼休み中の事務員の女性(41)は「結婚した女友達の年賀状は赤ちゃんの写真が全面で、名字も夫の名前に変わっていて『誰の年賀状やねん』ってツッコミたくなる」。◆「平和な時代だからこそ書ける」
年賀状には人間ドラマも。神戸から旅行中の小林晃子さん(70)は高校時代のクラスメートから卒業後、突然、「元気?」と年賀状が届いたという。それを機に再び会うようになり、交際が始まってゴールイン。「その送り主が…」と横に並ぶ男性に視線を向けた。 千葉県市川市の荒井米子さん(88)は「戦時中は年賀状どころじゃなくてね」と切り出す。戦後も東京湾でノリ作りに精を出したといい、「忙しくて休みは元日だけ。返信を書くので精いっぱいだった」と振り返りつつ「年賀状を書けるのは時代が平和で平らな世だから。今の若い人は、その感覚がわからないかもしれないけれど」と控えめに話した。◆労働災害に発展した「販売ノルマ」
美しい思い出も宿る年賀状だが、「黒歴史」もある。かつて、郵便局で働く社員に過剰なノルマを課していた年賀はがき販売だ。自腹ではがきを買う「自爆営業」が問題視された。金券ショップのケースに並ぶ年賀状の束=2009年、東京都内で
労働災害に発展したこともある。埼玉県内の郵便局に勤め、2010年に年賀はがきなどの販売ノルマによる...残り 1541/3134 文字
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