「高級シャンパン10本目」SNSには盛り上がる店内の様子…事件はその数年後に起きた
「高級シャンパン10本目いただきました、ありがとぴょんぴょん」(SNS投稿)
火をつけたとされる男のものとみられるSNS。
数年前に投稿された動画では、盛り上がる店内の様子が映っていました。
しかし…
11月26日、札幌市ススキノのビルに入るガールズバーが爆発・炎上する放火事件がありました。
華やかな装飾で彩られた店内は、一変しました。
「階段から最初の女性が1人、男性が1人、服に火が付いた状態。『熱い、助けて』と降りてきた」(救助にあたった人)
当時、店内にいた20代から50代の従業員や客ら男女4人がケガをして搬送されました。
「店から出てきた男性の証言では『何者かが液体をかけ火をつけた』と」(現場を目撃した女性)
「当時、誰も入ることができないよう広い範囲で貼られていた規制線は1週間経って全てなくなりました。しかし今もビルの入り口は閉ざされていて他の店への影響は続いています」(鎌田祐輔 記者)
「事件から1週間」男の“足取り”が明らかに…作業服のような服に帽子・マスクを身に着けて手にはバケツを
事件から1週間。
事件当日の男の足取りが徐々に明らかになってきました。
「付近の駐車場に車を止めガソリンのような液体を入れたバケツを持って繁華街の中心を歩き現場へ向かったとみられている」(鎌田記者)
捜査関係者などによりますと、男の車からは携行缶や事件直前にガソリンを購入した際のレシートも見つかりました。
そして店に向かう際、男は作業服のような服に帽子・マスクを身に着け、手にはバケツを持っていたとみられています。
一見、清掃員のような出で立ちで繁華街で目立たないよう変装を試みたのでしょうか。
「楽しいことするよ」(男のSNS投稿)
これは火が上がるわずか9分前の投稿です。
男のものとみられるSNSには、犯行予告とも取れる内容が記されていました。
その後、男は営業中の店内へ。
無言でカウンターへ向かい、20代の女性従業員の方へと近づき、突然バケツの中の液体を撒き散らしライターで着火し、爆発が起きました。
引き金となった可能性があるのが『交際関係のもつれ』…事件前には「DV」でトラブルに
背景に何があったのか。
引き金となった可能性があるのが『交際関係のもつれ』です。
数年前からガールズバーに通っていたとみられる男は、火を放ちケガをさせた20代の女性従業員と交際し同居していました。
しかし事件前に別れ話をきっかけとしたDVでトラブルに発展し、11月、警察を介して別居していました。
「やっと吹っ切れました」(男のSNS投稿)
この後、事件が起きました。
なぜこのような事態にまで発展したのか。
犯罪心理に詳しい専門家は、現状はまだ捜査中とした上でこう話しました。
「好きと嫌いという恋愛感情と憎悪感情は表裏一体。好きだという感情が今度は憎しみに変わっていく。心理的には一緒にこの世からいなくなるという自暴自棄な感情がこういう結末を迎えたんだろうというふうに感じている」(関西福祉科学大学 相谷登 教授)
いまだ意識が戻らない男。
突然、息子に放火容疑がかかった父親は被害者への謝罪の念を抱きながら過ごしています。
「まさかこんなことをする子だとは思わなかった。なんと申し上げたらいいのかも分かりません」(男の父親)
警察は男の回復を待って事情を聴きたいとしていますが、メドは立っていません。
バケツを持っていることを怪しまれないように「変装」していた可能性
この事件は、交際関係のもつれがトラブルにつながったとみられています。
現在も意識不明となっている放火したとみられる41歳の男、そしてお店で働いていた20代の女性店員。
この2人は数年前から交際し同居していました。
2人は別れ話で揉め、女性は男から受けた暴力について警察に相談し、避難・別居していました。
しかしその後、今回の事件につながってしまったということです。
<事件当日の男の動き>
・車をススキノの駐車場に止める
車内から携行缶やガソリンを購入したレシートが見つかる
・フタつきのバケツにガソリンのような液体を入れ店へ
・帽子、マスク、作業服のような服装
バケツを持っていることを怪しまれないように、変装していた可能性があります。
事件が起こる9分前の午後3時9分、SNSに男が「楽しいことをするよ」と、犯行予告を示すような投稿をしていました。
そして午後3時18分ごろ、女性店員が働いていた店でガソリンとみられる液体をまき放火したと見られています。
今回、被害にあった女性は放火容疑の男に暴力を受けてトラブルになったとみられています。
配偶者・パートナーからのDVについてはこちらの相談窓口にぜひ相談してみてください。
●札幌市配偶者暴力相談センター
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