12月2日移行、マイナ保険証の疑問答えます

Q.超初歩的なことですが、マイナ保険証とは、紐付けしたマイナンバーカードのことでしょうか。
(神奈川県 匿名希望さん)

A.そのとおりです。少し詳しく説明させて下さい。

マイナンバーカードは、すべての国民に付与されたマイナンバーを確認できるカードです。

自治体の窓口で申請をすれば無料で交付されますが、取得するかどうかは任意です。

カードにはICチップが内蔵されていますが、そこに情報が集積されるのではなく、あくまでオンライン上で行政手続きなどを行なうためのいわば「鍵」の役割を果たします。

そのマイナンバーカードに健康保険証を利用登録したものが「マイナ保険証」です。

つまり、カードの外見からは、それが健康保険証の利用登録をしているかどうか判断することができません。

このため、取材をしていると自分がマイナンバーカードに健康保険証の利用登録をしているかどうか、忘れている人が少なくありません。

オンライン上のマイナポータルで確認することができます。

Q.マイナンバーカードを持っていますが、健康保険証の登録はしていません。どこですればいいのか高齢者にもわかるように教えて下さい。
(70代・男性)

A.マイナンバーカードを持っている人の場合
▽医療機関の窓口
▽セブン銀行のATM
▽オンライン上の「マイナポータル」で利用登録を行うことができます。

このうち医療機関では、顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードをかざして本人確認やタッチパネルの操作を進めると利用登録が完了します。

医療機関を受診した際に、その場で登録を行うことができます。

また、スマホの専用のアプリでマイナポータルにアクセスすれば、家でも保険証の利用登録ができます。

Q.マイナンバーカードは更新が必要だったと記憶していますが、何年に一度更新するのか?更新できなかった場合はどうなるのでしょうか?
(40代・にっしーさん)

A.マイナンバーカードは、発行から5回目の誕生日までにカードに搭載されている電子証明書を更新する必要があります。

更新は自治体の窓口で行い、その場で完了します。

さらに、発行から10回目の誕生日までに(未成年者の場合は5回目)、マイナンバーカード自体を更新する必要があります。

この際は、改めて写真撮影などを行う必要があります。

この場合、自治体の窓口で新しいマイナンバーカードを受け取る際に、古いカードは回収されます。

有効期限が近づくと、国と自治体が運営する団体から通知書が届くことになっています。

もし更新しないと、カードとしての効力が失われます。

マイナンバーカードは2016年から交付が始まっているので、すでに更新が必要な人たちがいます。

実際に、私が取材した薬局では、11月だけで5人ほどの患者が、有効期限が切れていて、使えなかったといいます。

Q.保険証の利用登録をしてあるかを確認したいのですが、マイナポータルにアクセスすると「対応していない機種です」という説明で確認できません。

市役所などで対応してもらえるのか知りたい。

(50代・光らない私さん)

A.マイナポータルには、対応していないスマートフォンの機種もあり、マイナポータルにアクセスできないという声もあがっています。

たとえばiPhoneでは、iOS16以上がインストールされたiPhone8以降の機種しか対応していないということです。

自治体によっては、こうした人たちのために、対応している端末を配置しているところもあるそうです。

Q.災害が発生し、通信が途絶えた場合に、マイナ保険証で保険医療が適切に受けられるのでしょうか。

A.マイナ保険証はネットワークシステムで管理されているため、停電や電波障害のなかでは使用できませんが、災害救助法が適用され、厚生労働省から通知が出た場合は、保険証がなくても受診することができます。

また、災害時は特別措置として、患者がマイナ保険証を持っていなくても、本人の同意のうえで医療情報を確認することができます。

国は避難先でかかりつけ医以外を受診することになった際などに役立つとしています。

Q.個人情報がもれてしまわないかと不安で、まだ連携していません。

マイナ保険証の利用登録をすると登録前にかかった病院の情報なども提供されてしまうのでしょうか。

(60代・むーやんさん)

A.マイナ保険証をめぐっては自治体による個人情報のひもづけミスが相次ぎました。

この時のニュースが記憶に残っている方々は多いと思います。

ただ、今回の移行にあたって、厚生労働省は、患者の「同意」なく、医療情報の共有はされないとしています。

マイナ保険証で受診し、顔認証付きカードリーダーで医療情報の共有に「同意する」を選択すると、利用登録する前の医療情報についても、医療機関の間で共有されるということです。

Q.高齢の母がいます。

マイナンバーカードは持っていません。

資格確認書は届いてからいつまで使えますか?。

(ともぷさん)

A.「資格確認書」とは、ともぷさんの母親のように、マイナンバーカードをもっていなかったり、マイナ保険証の利用登録をしていなかったりする人たちに無償で交付されるものです。

現在使っている健康保険証の期限が切れて、使えなくなる前に、申請なしで交付されます。

有効期限は5年以内で、それぞれの健康保険組合などが設定することになっています。

現時点では、有効期限が切れる前に、再び申請する必要なく、交付されることになっています。

この措置について、国は「当分の間」としていて、申請なしで交付される仕組みが、いつまで続くかは不透明です。

Q.私は夫の扶養家族で、マイナ保険証を登録していません。

先日『資格情報のお知らせ』がきました。

資格確認書が来るのか不安です。

(60代・キャンディさん)

A.マイナ保険証を持っていない人には、扶養家族であっても、資格確認書が届けられることになっています。

一方、各保険組合などを通じて届けられている「資格情報のおしらせ」ですが、マイナ保険証で受診し、もしシステムエラーが起きた場合でも、この書類があれば、そのまま受診できるものです。

会社員や公務員などには、マイナ保険証の登録をしていない人にも届けられています。

Q.マイナンバーカードを持っていません。

まもなく75歳の誕生日を迎えますが、後期高齢者になって保険が変更されるときに資格確認書が送られてくるのでしょうか。

(70代)

A.はい。

75歳の後期高齢者になる誕生日の前の月末までに資格確認書が届けられることになっています。

資格確認書は通常はマイナ保険証を持っていない人に送られてくるものですが、ことし12月から7月末までの間に75歳になる人などには、移行期の混乱を避けるため、特例措置がとられ、マイナ保険証を持っている人にも送られることになっています。

Q.「資格情報のお知らせ」は、毎年送られてくるのでしょうか。

(ちれさん)

A.これは送られてきません。

原則、転職や引っ越しで健康保険組合などがかわった場合だけ送られてきます。

なくした場合に、再発行するかどうかは、健康保険組合などによって、対応はさまざまです。

ただ、この資格情報のお知らせがなくても、スマホなどで、マイナポータルに入ることができれば、マイナ保険証でエラーがでても保険診療が受けられます。

Q.マイナンバーカードに保険証や免許証を利用登録して一本化していて、なくしてしまった場合、どのように本人確認するのですか。

(40代・ゆうたんさん)

A.まずは、国が設置している専用のコールセンターに利用停止の連絡をしてください。

番号はマイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178です。

そのあと、お住まいの自治体の窓口に行き、マイナンバーカードの再発行手続きをしてください。

本人確認書類には健康保険証以外にも、パスポートなどさまざまなものが使えるので、自治体などに確認して下さい。

Q.両親が介護施設に入所しています。

施設で介護保険証と従来の健康保険証を預けています。

健康保険証が廃止されると、マイナンバーカードを預けることになるのでしょうか。

(50代男性)

A.国は預かってもいいとしています。

ただ、取材した多くの施設はマイナンバーカードは、多くの個人情報にアクセスできるため、マイナ保険証でなく、資格確認書を預かる対応を検討しています。

マイナ保険証をもっている人でも高齢者や障害者など、マイナ保険証での受診が難しい場合は、資格確認書を申請すれば、交付されます。

自治体の窓口に相談して下さい。

(社会部 渡邉千恵記者)
私は12月2日に、都内の医療機関を取材しましたがこれまでマイナ保険証を使っていなかった患者も窓口で利用するケースが増えていました。

ただ、取材すると、この仕組みについていけない人たちが、少なくないとも感じます。

この新たな仕組み、引き続き取材しますので、引き続き皆さんからの質問や疑問こちらまでお寄せ下さい。

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