認可保育所などに入れない広島市内の待機児童が4月1日現在で0人になったと市が発表した。市によると、1995年度に調査を始めて以降、初めてという。市は、要因として保育施設の整備や相談事業の充実を挙げている。
市幼保給付課によると、4月1日時点の就学前児童数は5万1815人。うち入園申し込み児童数は2万7931人で、2万7278人が最終的に入園した。残る653人については、自宅から30分以内に通える施設があるものの、特定の園を希望したケースなどが含まれ、待機児童には数えていない。
市の待機児童数は2014年度に447人とピークになり、その後は減少傾向にあった。県全体で見ても、昨年度の待機児童数は広島市の3人のみとなっていた。
入園をあきらめたケースも
市は待機児童対策として、定員が不足している地域を中心に保育施設の整備を進めてきた。市内の保育園や子ども園などの数は14年度の190園から314園に増加。定員は約1.3倍の3万799人となった。
13年度には「保育サービスアドバイザー」を全区役所に設置。保育園の元園長らがアドバイザーとなり、保護者から通勤経路などを聞き取って通いやすい園を紹介している。
同課によると、少子化で就学前児童数は年々減っており、現在もすでに定員に対して約1割の余裕がある。ただ、希望する施設に入れず、入園をあきらめたケースもあるといい、山崎俊治課長は「相談事業に力を入れ、保護者のニーズを丁寧に把握したい」と話している。(魚住あかり)
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