1995年1月の阪神大震災で甚大な被害が出た神戸市長田区で続いた「震災復興市街地再開発事業」が完了し、30日に記念式典が開かれた。市の主導で木造家屋や商店が密集した街並みを一新し、耐震性能に優れた高層ビル群や防災公園などを整備した。来年1月の震災発生30年を前に、兵庫県内全ての復興再開発が終結した。
10月に最後のビルが長田区で完成した。30日の式典には久元喜造市長や斎藤元彦県知事らが出席。あいさつした久元市長は「さまざまな困難を乗り越えて今日を迎えられた。事業終結で地域の活性化をさらに前に進められる」と語った。
神戸市の新長田駅南地区では震災で8割以上の住宅や商店が焼失、全半壊し、市は新たな都市計画を決定。約20ヘクタールの土地に44棟のビルを建設し、神戸・三宮の繁華街に対する「西の副都心」として発展が期待された。
約2千人の地権者との交渉は難航し、2004年を予定した事業完了は延期を繰り返した。現在も商業用スペースの過半が売れ残る。地価下落の影響も受け、市は赤字を抱える。〔共同〕
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