NHKは、29日総務省が公表したおよそ3000の政治団体の去年1年分の政治資金収支報告書を調べました。

その結果、自民党の衆議院議員1人と国民民主党の衆議院議員1人の資金管理団体で、あわせて333万円余りの寄付の不記載があったことがわかりました。

また、自民党の派閥の政治団体1つと、自民党の衆議院議員1人と元衆議院議員1人、それに国民民主党の衆議院議員1人の資金管理団体で、あわせて178万円分のパーティー収入について、20万円を超えるパーティー券購入者の名前や金額などを記載していなかったことがわかりました。

政治資金規正法は、同じ相手から年間5万円を超える寄付を受けた場合や、1回の政治資金パーティーで同じ相手から20万円を超える支払いを受けた場合は、いずれも名前や金額などを収支報告書に記載しなければならないと定めています。

去年分の政治資金収支報告書をめぐっては、今月21日に東京都選管が公表した自民党東京都連の収支報告書でも、258万円分のパーティー券購入者の名前などの不記載が明らかになっています。

各政治団体の不記載の内容は

NHKの取材で、寄付の不記載や20万円を超えるパーティー券購入者の名前などを記載していなかったことが明らかになった政治団体は、以下の通りです。

▽自民党の井林辰憲衆議院議員の資金管理団体は、麻生派の政治団体から去年7月に受けた230万9680円の寄付を記載していませんでした。
東京と地元の事務所間の連携がうまくとれておらず記載漏れになっていたとして、訂正するとしています。

▽国民民主党の古川元久衆議院議員の資金管理団体は、党から去年7月に受けた103万円の寄付を収入として記載していなかったほか、2つの政治連盟から受けた74万円分のパーティー収入について、法律で義務づけられている名前や金額などを記載していませんでした。
いずれについても、事務的なミスだとしていて、指摘を受け29日訂正したということです。

▽自民党の菅義偉元総理大臣の資金管理団体は、業界がつくる政治連盟からの30万円分のパーティー収入について、法律で義務づけられている名前や金額などを記載していませんでした。
記載が漏れていたので、直ちに訂正するとしています。

▽当時自民党の衆議院議員だった高鳥修一氏の資金管理団体は、業界団体の政治連盟からの50万円分のパーティー収入について、法律で義務づけられている名前や金額などを記載していませんでした。
事務的なミスだとしていて、指摘を受け29日訂正したということです。

また、▽自民党の旧二階派「志帥会」の収支報告書には、自民党の元参議院議員が代表を務める政治団体の収支報告書に記載されていた政治資金パーティーの「会費」24万円が記載されていませんでした。
志帥会側は、NHKの取材に対し「きょう中の回答は難しい」としています。

会計責任者「裏金問題で党から厳格確認指示」

派閥からキックバックを受けたパーティー収入の不記載が発覚した現職国会議員の政治団体で会計責任者を務めている秘書は、NHKの取材に対し「裏金問題の余波で、今月総務省や各選管が去年分の収支報告書を公表するのを前に、党本部から自主チェックするよう指示があった。

議員の政治団体のパーティー券を購入した場合、買った側が実名で記載していれば、こちらも売ったと記載しなければならないが、他の事務所がどう記載しているかは収支報告書の公表前にはわからないので、相互チェックする必要がある。不整合が起きないよう、何百と開催された政治資金パーティーを党本部でもチェックしていて、『ここを直して』と具体的に指示があった」と話していました。

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