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 東京・池袋で発生した車の暴走事故で、妻と娘を亡くした松永拓也さん(38)を脅迫するメールを送ったとして、14歳の女子中学生が書類送検された。警視庁の調べに対し、少女は「人間関係に悩みがあった」などと供述しているという。

■松永さんに向けられた悪意ある言葉

松永さんのXから この記事の写真 松永さんのXから 
「死ねばいいのに〜そんなに辛いなら私が変わりに殺してあげよっか?笑」
「松永拓也死ねばいいのに〜」

 いたずらでは済まされない悪質な言葉の暴力。

 その矛先が向けられたのは、池袋で起きた車の暴走事故で妻・真菜さん(当時31)と娘・莉子ちゃん(当時3)を失った松永拓也さん。「同じような悲しい事故を少しでも減らそう」と、松永さんは5年間活動を続けてきた。

松永さん(2021年) 
「交通事故撲滅のための活動に関して、すべてできることはやっていきたい」 松永さんのXから 
「池袋暴走事故の松永よ子どもと妻死んで悲しいか?笑 おつでーす もう帰ってきません 一生会えませエンよ 子供よ人生歩めなくて悲しいか 奥さんもだよ 完全に金目当てで草笑」

 しかし、松永さんに向けられた心ない、悪意に満ちた言葉の数々。この文章を送ったのは中学3年生の少女だった。

松永さんのXから 
「生きてる価値なし笑 殺せ殺せ死ね死ね 松永拓也家いったろか?特定して笑行きまあ〜ス」 脅迫メールか

 今年9月、松永さんをメールで脅迫したなどとして、警視庁が28日、横浜市の女子中学生を脅迫の容疑で書類送検した。

 さらに、女子中学生は松永さんの講演先にも「殺してあげようか」「イベントやる意味あるのか」といった誹謗(ひぼう)中傷のメールなどをおよそ10通送ったとして、威力業務妨害の疑いでも書類送検されている。

少女の供述

 調べに対し、「悪いことをして申し訳ありません」と容疑を認めている少女。動機については「人間関係に悩みがあった。『警察なら相談に乗ってくれるのではないか』と思い、『脅迫メールを送れば、警察が動いてくれるのでは』と考えた」と供述しているという。

 女子中学生のこうした行為について、松永さんは「ちゃんと社会的責任を果たし、深く反省した上で、自分と他人の命を大切に生きていく一歩としてほしいと願っています」とXに投稿した。

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■家族を奪った受刑者からの言葉

■家族を奪った受刑者からの言葉

失った家族の思い出

 松永さんが闘ってきたもう一つのこと。それは、事故を起こし、家族を奪った飯塚受刑者との向き合いだった。

莉子ちゃん 
「ただいま」 真菜さん 
「おかえりなさい」 莉子ちゃん 
「おかえりなさい」 松永さん 
「ありがと、ただいま」 飯塚受刑者と会話

 愛する妻と娘を一度に失った松永さん。事故を起こした飯塚幸三受刑者(93)は…。

松永さん 
「彼は先月26日に刑務所で亡くなりました。正直複雑な気持ちです」

 禁錮5年の実刑判決を受け服役していた飯塚受刑者が、刑務所内で死亡したことが今週分かった。松永さんは服役中の飯塚受刑者と今年5月に面会し、すでに起き上がることができない状態だった飯塚受刑者と直接言葉を交わしたという。

松永さん 
「『世の中の高齢者に伝えたいことは?』と伝えたところ、ほとんど言葉はしゃべれなかったですけど、その質問だけははっきり答えたんです。『世の中の高齢者の方に免許を返納するように伝えてください』と。加害者の後悔とか加害者の言葉を、ある意味託されたと思っている」

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■過失か危険か 大分地裁で注目の判決

■過失か危険か 大分地裁で注目の判決

注目された裁判

 加害者と被害者、その家族、すべての人を不幸にする車の暴走事故。こうしたなか、大分地裁で28日、注目の判決が下された。

 時速194キロで走行する車の再現動画では、対向車からの目線で、左奥から来た車がものすごいスピードで画面右に消えていく。

被告 
「買ったばかりの外車で何キロ出るか試してみたかった。加速する感覚を楽しみたかった」

 3年前、当時19歳の男が法定速度の3倍を超える時速194キロで一般道を走行。右折しようとした車と衝突し、乗っていた小柳憲さん(当時50)が死亡した。その衝撃は、被害者が装着していたシートベルトがちぎれ、車外に放り出されてしまうほどだったという。

遺族の署名活動

 大分地検は当初、男を過失運転致死罪で起訴した。これに対し、被害者の姉・長文恵さんは「(時速)194キロのこの事故が、うっかり過失なわけはないんです。一緒にしてもらったら本当に困ります」と語った。

 遺族は、より罪の重い危険運転致死罪への変更を求め署名活動を開始。2万9000人以上の署名を集め、過失運転から危険運転に変更されて起訴された。

被告の車

 こうしたなか、行われた注目の裁判。争点は「過失運転」か「危険運転」か。

 弁護側は「ぶつかるまでは真っすぐ走れていたので、極端な高速度でも制御困難ではない」として危険運転にはあたらないと主張。一方、検察側は「制御困難な高速度で危険運転にあたる」として懲役12年を求刑した。

被害者の車 裁判長 
「主文、被告人を懲役8年に処する。ハンドルやブレーキの操作のわずかなミスによって事故を発生させる実質的危険性があると認められる速度と言える」

 大分地裁は「危険運転の罪が成立する」と判断し、懲役8年の実刑判決を言い渡した。

裁判長 
「法定速度の3倍以上もの常軌を逸した高速度で走行させ、マフラー音やエンジン音、加速の高まりを体感して楽しむために犯行におよんだ。身勝手・自己中心的な意思決定は厳しい非難に値する」 遺族の会見

 求めていた危険運転は認められた一方、検察側が懲役12年を求刑するなかで、懲役8年の判決だった。

遺族 
「危険運転致死罪で認められることはとても大きなことだと思います。ただ、量刑については自分の中では『8年』と聞いた時に、その後の裁判長の話は全く耳に入らない思いがした」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年11月29日放送分より)

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