自身の弁護士名義を無資格者に貸して法律事務をさせたとして、弁護士法違反(非弁提携)の罪に問われた元衆院議員の今野智博被告(49)の初公判が28日、東京地裁で開かれた。今野被告は罪状認否で「弁護士でない者に法律事務を取り扱わせたことはない」と無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、今野元議員は知人らと詐欺の被害回復などの案件を取り扱う法律事務所を設立し、常駐できる弁護士が見つからないまま2023年9月に業務をスタートしたと指摘した。
営業担当のスタッフは被害回復が困難な事案でも受任し、同年11月ごろには元議員だけでは処理しきれないほどの案件数になったと主張。無資格者のスタッフに自身の弁護士印を使わせて法律事務をさせる非弁活動を繰り返したとした。元議員は着手金の10%を受け取っていたという。
これに対し、弁護側は「(元議員が)弁護士として法律事務をおこなう過程で、事務スタッフの補助を受けたにすぎない」として弁護士法に抵触しないと主張。「8000万円を超える詐欺被害金の取り戻しを実現した」とも強調した。
起訴状によると、元議員は23年12月〜24年1月ごろ、詐欺事件の被害者の被害回復手続きに関する法律事務を行う際、弁護士でない人物に自身の弁護士名義を利用させたとされる。
事件を巡っては警視庁が6月以降、弁護士法違反の疑いで元議員ら10人超を逮捕。同庁によると、グループは着手金名目で約900人から計約5億円を集めたとみられる。
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