果物の木を食い荒らす外来種のカミキリムシについて、茨城県が地域住民らに駆除を呼びかけたところ、6~9月の4カ月で3782匹の成虫が駆除された。今年度新設した制度に基づき、協力した人にはプリペイドカードなどが贈られた。

 駆除されたのは、全身がともに光沢のある黒色で、前胸部が赤い「クビアカツヤカミキリ」(体長2・5~4センチ)と、背面の翅(はね)に白い斑点がある「ツヤハダゴマダラカミキリ」(同2~3・5センチ)。中国や朝鮮半島に生息し、日本の生態系を崩す可能性がある特定外来生物に指定されている。

 木の中で孵化(ふか)した幼虫は幹を食べながら2~3年かけて育ち、成虫に羽化すると木の外に出てくる。県によると、行動のピークとされる7月、特に県西地域で多くの成虫が確認されたという。

 踏みつぶすなどして駆除した成虫を県生物多様性センター(水戸市笠原町)などに持参した人に対し、県は10匹につき500円分のプリペイドカードと交換。10匹未満の人にも、缶バッジやエコバッグといったオリジナルグッズを渡した。

 一方、県内での定着が懸念されているシカ科の特定外来生物「キョン」についても、県は有力な目撃情報に褒賞金を支払う制度を導入している。

 制度を始めた5月30日~10月31日に50件の画像や動画が届いたが、いずれもキツネやタヌキ、ウサギといった別の動物だったため、1件につき2千円の褒賞金は支払っていないという。

 担当者は「茨城には定着していないと信じたいが、引き続き警戒している」と話している。情報提供は県生物多様性センター(tayousei@pref.ibaraki.lg.jp)へ。(原田悠自)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。