ゴールデンウィークで多くの人が旅行を楽しむなか、ホテル業界が頭を悩ませているのが、宿泊客による備品の持ち帰りです。中には、部屋のテレビや空気清浄機を持ち帰ってしまう、驚きの実態が明らかになりました。
■アメニティー、シャンプーボトル中身も…
栃木県那須塩原市にある旅館。 塩原元湯温泉 ゑびすや佐藤由規さん
「3〜4日と満室で、ありがたいことに。本日も満室になっております」
ゴールデンウィークで連日満室となり、喜びの声を上げる一方で、ある問題が起きています。
佐藤さん「こちらに設置してある市販のアメニティー類、シャンプーボトルの中身と、ボディーソープの中身等が抜かれていました」 宿泊客による備品の持ち帰り被害が起きているというのです。 佐藤さん
「ボディーソープは満タンになっておりまして、シャンプーボトル等は2本やられたんですけど、半分ほど入っておりました。とても悲しい気持ちになりました。ほとんどの旅館では基本的なアメニティーしか置いてないと思う。当館ではサービスのため、複数置いてありますので。とても残念な気持ちと、少し腹立たしい気持ち」 被害はこれだけではなく…。 佐藤さん
「こちらのボトル(化粧水)が1本持っていかれました。こちらは交換した物なんですけど、前日に新品で交換した翌朝に1本持っていかれました」
「(Q.1本というのは?)丸ごと、ボトルごと」 他にも茶筒の中にある茶葉や共用トイレのトイレットペーパー、ペーパータオルなども被害に…。これらの持ち帰りは、すべて同じ日に起きたということです。 佐藤さん
「証拠がないものですから、こちらとしてもどうすることもできず。このまま、このような盗難というか物が無くなることが続く場合は、サービスの質を落とさざるを得ないと思っています」
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■ドライヤーにテレビまで…海外でも被害■ドライヤーにテレビまで…海外でも被害
各地の宿泊施設で、備品の持ち帰り被害が問題となっています。 都内のホテルスタッフ「枕やクッション、食器類をすべて持って帰られたこともあります」 東海地方のホテルスタッフ
「ドライヤーに液晶テレビまで持ち帰られました」
日本だけでなく、海外でも起きています。
中国の民宿スタッフ「3000元(日本円約6万円)のドライヤーがなくなって、トイレで泣きました」
一方、宿泊客の中には、持ち帰る様子を動画で撮影し、投稿する人もいました。
宿泊客「持ち帰られる物はすべて持って帰る」 宿泊客
「お土産にできるくらい多く持って帰る」 飲み物やアメニティーだけでなく、部屋に備え付けのペンまで持ち帰る人もいました。
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■最も驚いた持ち帰り被害…「空気清浄機」■最も驚いた持ち帰り被害…「空気清浄機」
去年11月まで、都内のビジネスホテルで支配人をしていたという女性は、現在の状況についてこう話します。 女性「備品の持ち去りということで言うと、もう本当にありとあらゆる、枕だったりクッションだったりドライヤーだったり、ペーパー類とかですね。貸し出し備品で、フロントで貸し出した物をそのまま持ち帰りされてしまうということもありますね」 女性
「あとは、例えば朝食のサービス。朝食はサービスで無料ですけれども、朝食だから朝だけですよね。それを昼の分と夜の分まで詰めて、お部屋に持っていっちゃう」
10年ほど支配人をしていたという女性。その中で最も驚いた持ち帰り被害は、「空気清浄機」だといいます。
女性「空気清浄機ですね。空気清浄機が丸ごと無くなっていた状態ですね。それだけ大きい物は初めてでした。まさかそんな物(空気清浄機)が無くなると思わないので。(ベッド)メイクさんも気付かないし、チェックする方も気付かずに。ダブルチェックで私が入って、初めて気付いたみたいな感じでしたね」
部屋に備え付けの空気清浄機をどうやって持ち帰ったのでしょうか?
女性「おそらく、大きなスーツケースか何かに入れていったんじゃないか。それしか考えられない」 ホテルでは、大きめのスーツケースや複数のスーツケースを持っている人も多いため、目立たず持ち帰れたのではないかといいます。
さらに、外国人観光客の増加で、狙われる機会が増えているのが、「変換プラグ」だということです。
女性「あと一番多かったのは変換プラグですね。外国のお客様が変換プラグをそのまま持って帰ることが多かった。これはあるタイミングからデポジット形式にして、貸し出す時に1000円くらいをお支払い頂いて、返却して頂いたらお返しするというような体制をとっていた」
(「グッド!モーニング」2024年5月4日放送分より)
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