2016年に暴行の罪に問われ、その後の刑事裁判で無罪が確定した名古屋市の奥田恭正さん(68)は、警察が捜査の過程で集めた指紋やDNA型などのデータについて国に抹消するよう求める訴えを起こしました。

ことし8月、2審の名古屋高等裁判所は「男性のデータが本人の意思に反して捜査機関に保管されていることは憲法に違反する」と指摘し、1審に続いてデータを抹消するよう国に命じ、データの抹消については判決が確定しました。

奥田さん側からの申し入れを受け警察庁の担当者が25日、愛知県警の庁舎でデータ抹消の経緯などについて直接、説明しました。

警察庁の担当者は、データはすでに抹消しデータベース上にないことなどを、抹消した日時などが記載された文書を提示しながら説明したということです。

説明を受けた後、奥田さんは会見で「データベースを実際に見て確認したいと伝えたが断られた。謝罪も求めたがしてもらえず、なかなか納得できるものではなかった」と話していました。

また、弁護士は「内部の規則に基づいた運用ではなく、データ抹消の基準などを一律化した法律をつくり、それに基づいて運用すべきだ」と話していました。

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