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 兵庫県の斎藤元彦知事を巡ってPR会社の社長が「広報全般を任せていただいた」などとネットに投稿し、これが公職選挙法に抵触するのではないかという指摘が相次いでいる。斎藤知事の代理人は違法性を否定している。

■公職選挙法に違反? PR会社との関係性は

 兵庫県の斎藤知事とガッツポーズを決め写真に収まる1人の女性。知事選で斎藤陣営のSNS戦略を立案し、広報を担当したというPR会社の社長だ。

PR会社の社長 この記事の写真 PR会社社長が公開した記事
「今回広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います。私が監修者として、運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成、コンテンツ企画、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました」

 この投稿の内容について「斎藤知事の陣営がPR会社に公職選挙法に違反する金銭を支払ったのではないか?」という疑惑が浮上している。

SNSを駆使し大逆転

 SNSを駆使し、大逆転で知事に返り咲いた斎藤知事。PR会社とはどんな関係性だったのか?

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■PR会社社長は街頭演説に同行 ライブ配信も

■PR会社社長は街頭演説に同行 ライブ配信も

PR会社社長のインスタグラム
「とある日、オフィスに現れたのは、元兵庫県知事の斎藤元彦さん。広報PRのプロとしての私のご提案を聞きに来てくださったのが全ての始まりでした」 PR会社社長のインスタグラム

 写真は、斎藤知事が兵庫県内にあるPR会社を訪れた時のもので、社長がネット戦略に関して説明してる様子だという。

 そして、斎藤知事がSNSで使用している写真の撮影もこのPR会社が行ったということだ。

PR会社社長が公開した記事
「まず、プロフィール写真の撮り直しからスタート。大阪にプライベートスタジオをお持ちの信頼できるカメラマンさんと、友人に紹介してもらったヘアメイクさんに急きょご依頼をしました」 兵庫県 斎藤元彦知事 斎藤知事
「SNSは非常に今回の選挙戦においては1つの大きなポイントだったと思います。動画とか発信して拡散して頂いたことも非常に斎藤の県政の政策を理解していただくうえですごく重要だった」 PR会社社長、街頭演説に同行することも

 PR会社の社長は、街頭演説に同行することもあった。

 演説中には、スマートフォンで撮影しライブ配信も行っていたという。

公開した記事 PR会社社長が公開した記事
「選挙カーの上から臨場感を届けるためにライブ配信中」

 さらに、PR会社は「さいとう元知事がんばれ」というハッシュタグを拡散させた成果を強調した。

PR会社社長が公開した記事
「斎藤さんへの世の中の見方を変えていく上で重要だったのがハッシュタグ『#さいとう元知事がんばれ』です。『さいとう元彦がんばれ』ではなくあえて『知事』を入れることで『さいとうさん=知事』という視覚的な印象づけを狙いました」

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■特製うちわやペンライトで応援 続々と人が押し寄せる

■特製うちわやペンライトで応援 続々と人が押し寄せる

 様々なSNS戦略を駆使して戦った選挙戦。最終日の演説会場は、斎藤知事を応援する声であふれていた。

11月16日の街頭演説 斎藤知事
「頑張って前を向いて歩いていれば一生懸命やっていれば、必ず誰かが見てくれている。必ず誰かが応援してくれている」

 特製のうちわやペンライトで応援する人など、続々と人が押し寄せるまでに。

斎藤知事「SNSのプラス面をすごく感じた」 斎藤知事
「応援してくれる方がSNSを通じて広がるんだというSNSのプラス面をすごく感じたところです」

 PR会社は選挙戦についてこうつづっている。

選挙戦については… PR会社社長が公開した記事
「実際選挙を終えてみての私の率直な感想は『選挙は広報の総合格闘技』であるということです。質・量・スピードすべてが求められ、食べる暇も寝る暇もない程でした 脳みそを常にフル回転し続けなければならない点が最もハードでした。そのような仕事を東京の大手代理店ではなく兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたいです」

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■代理人弁護士、違法性は否定

■代理人弁護士、違法性は否定

 PR会社が詳細に明かした知事選でのSNS戦略。総務省によると、インターネットを利用した選挙運動への対価として報酬を支払うと公職選挙法の買収罪が適用される可能性があるとしている。

総務省ホームページ 総務省ホームページ
「業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行う場合には、買収となるおそれが高いと考えられます」

 斎藤知事の代理人は次のように話す。

斎藤知事の代理人弁護士 斎藤知事の代理人弁護士
「打合せの際、広報やSNSの活用についての説明を受けましたが SNS戦略の企画立案などについて依頼をしたというのは事実ではありません。依頼をしたのはあくまでポスター制作等、法で認められたものであり、相当な対価をお支払いしております。デザイン色使いなどについて意見をいただくこともありましたが、あくまで当方の指示に従ったものを制作していただきました」

 金銭を支払ったことは認める一方で、違法性については否定した。

代理人弁護士「公職選挙法に抵触する事実はございません」 斎藤知事の代理人弁護士
「公職選挙法に抵触する事実はございません」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年11月25日放送分より)

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