メルカリ “不正利用者への対策強化 取り組む”
消費生活センターなどへの相談 昨年度は10年前の約8.7倍に
専門家 “「返品不可」記載禁止ルールが被害生む要因のひとつ”
被害を訴えたのは、東海地方に住む30代の女性です。NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」に情報を寄せました。女性によりますと今月「メルカリ」で戦車のプラモデルを出品したところ、購入者から「パーツが破損している」と連絡がありました。女性が返品に応じるとデザインのよく似た別の戦車のプラモデルの箱が届き、箱の中にはパーツが抜き取られた枠や紙のゴミが入っていました。
NHKの取材に対しメルカリは「より安心安全に利用いただけるよう、お客さまサポートの方針と体制の見直し・強化が必要だと考えています。今後の具体的な見直し内容は検討を進めていますが、当事者間で解決が難しいトラブルに対し、お客さまサポートもより関与して早期解決を目指すとともに、不正利用者への対策を強化し、正しくご利用いただいているお客さまが不利益を被ることがないように取り組んでいきたいと考えています」とコメントしています。
国民生活センターによりますと、フリマサービスで購入や出品をした人たちから全国の消費生活センターなどに寄せられた相談の件数は10年前の2014年度は920件だったのに対し、昨年度はおよそ8.7倍の7965件にのぼっています。また今年度は先月末までに4211件の相談があり、去年の同じ時期より増えているということです。出品者からの相談では、返品に応じたところ商品がすり替えられていたとか空箱が返ってきたといった内容も複数寄せられていたということです。国民生活センターでは、フリマサービスは個人間の取り引きのためより慎重に取り引きしてほしいと呼びかけています。
ITジャーナリストで成蹊大学の高橋暁子客員教授は、メルカリが出品者に対し「返品不可」と記載することを禁止しているルールが被害を生む要因のひとつになっていると指摘します。返品を拒否できないルールのようにも読めるため、これだけだと一方的に出品者に不利だということで、高橋さんは「購入者の不安をなくす目的でのルールだ思うが、この規約があることで『返品詐欺』ができることが界わいに広がってしまった。仕組みを刷新すべき時期に来ているのではないか」と話しています。そのうえで「そもそも個人間の取り引きのため、どちらがうそを言っているのか運営会社ではわかりにくいという対応の難しさもある。リスクを周知したり返品詐欺がしにくい仕組みづくりも必要だ」と指摘しています。
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