長年にわたって県民の生活を守り続けてきた警察官を表彰する「県民の警察官」に2人が選ばれた。21日は、秋田中央警察署の小玉昌裕警部補を紹介する。

秋田中央警察署地域課に勤務する小玉昌裕警部補(59)は、勤続31年。ほとんどの時間を刑事部門と地域部門で過ごしてきた。

そんな小玉さん、実は警察官になる前はまったく別の仕事をしていた。

 小玉昌裕警部補:
「神奈川県で塾の講師をしていた。高校受験の小中学生対象の理科以外の4科目を教えていた」

大学を卒業後、神奈川の塾で講師として働いていた小玉さんは、27歳の時、秋田県警の採用試験に合格し、ふるさと秋田に戻った。当時の警察学校の同期は年下ばかりだった。

小玉さんは「年齢的にも体力的にも劣るところがあっても、民間の厳しいところでやってきた自負もあったし、『ストレート組には負けない』と何とか乗り切って、どうにか卒業し今に至る」と振り返る。

小玉さんが一番記憶に残っているのは、地元の特産品を狙った詐欺事件だという。

 小玉昌裕警部補:
「全国から特産品の仕入れ会社を装ってだまし取る買い受け詐欺というのがあって、大館の特産品のきりたんぽをだまし取った事件の発生があった」

「絶対に事件を解決する」と強い気持ちで捜査にあたり、東京にいた犯人の逮捕に至った。

 小玉昌裕警部補:
「このチャンスを生かせばこれからの商売につながると思って、一生懸命(被害業者は)発送しているので、悔しい気持ちを検挙で晴らすことができたように思う」

現在の小玉さんの役割は、秋田中央警察署管内に10ある交番をまとめること。110番通報があった際、素早く駆け付けるために現場の一番近くにいる警察官に無線で指示を出す。

また、小玉さんが力を入れているのは若手の育成。塾での経験を生かして、的確に分かりやすく後輩を指導する。

 小玉昌裕警部補:
「なるべく威張った感じにならないように、私の発した言葉が相手に伝わるように心がけて、言葉一つ一つを考えて指導している」

 田口莉帆巡査(24):
「普段気さくに話しかけてくれて、的確に指導してくれている。私もこれから後輩がどんどん増えていくので、的確な指示ができるようにならなければいけないと思うので、そういうところを見習っている」

民間を経験して警察官になった小玉さんは、志すのに遅いことはないと話す。

 小玉昌裕警部補:
「私のように何年か遅れて転職して警察官になった人間でも、活躍の機会を与えてもらえた。一緒にいい仕事ができればと思っている」

“意志あるところに道は開ける”

小玉さんはこれからも地域の安全を守り続ける。

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