罰当たりで許せない行為だ。福島県三春町などで寺の仏像が盗まれる被害が相次いでいて、警察が窃盗事件として捜査している。

三春町の宝伝寺。室町時代に開かれた歴史ある寺だが、盗難の被害に遭った。
長寿山宝伝寺の檀家の代表・佐久間正敏さんは「まあがっかりっていうかね、もうどうしてこのような世の中なのかなっていう感じですね」と話す。

本堂に置かれ、地元の人たちの信仰を集めてきた釈迦三尊像。
しかし、10月中旬にこれらの仏像や仏具が盗まれ、仮の仏像を置いてしのいでいる状況だ。佐久間さんは「和尚さんがここで法事をやるということでここに来て、いざ拝もうかと思ったら『仏像がない』ということで連絡をもらって。カギは普通はちゃんと全部閉めておいたつもりなんですが、なんかそのときは一カ所だけ開けられたんだかなんだか、開いてた状態であります」と話す。

寺を荒らすという罰当たりな行為。仏像の台座から無理やり切り取ったとみられ、木くずも散乱している。境内にある観音堂も被害に…本堂と合わせ盗まれた仏像は14体。町によると、町内ではこの1ヵ月の間に同様の被害が7件発生している。

三春町歴史民俗資料館の平田禎文館長は「被害が目立たないように、扉ごと外して入るパターンですとか、あるいはちょっと場所によってはですね、壁を壊して入っていくというのもあるようですので、いろいろなやり方があるのかなと思っております」と話す。

福島テレビの調べでは、田村市や小野町でも相次いでいるという仏像などの盗難。
警察によると、住職が常駐していない山間部の寺が狙われる傾向があり、転売や換金目的の可能性を視野に入れて、捜査を進めている。
佐久間代表は「考えられないですね。捕まって、仏像が早く帰ってくれば一番良いんですが、まあそれもどうなのか…」と話した。

警察では少しでも不審に感じることがあれば、警察に通報するよう呼びかけている。

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