厚生労働省は21日、社会保障審議会の部会を開き、医療費が高くなった患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」の負担上限額を引き上げる案を示した。高齢化で医療費が膨らむ中、現役世代が中心の保険料負担を軽減する。委員からは引き上げに異論は出なかった。厚労省は、金額などを示さなかったが、引き上げ幅7~16%を軸に調整している。年内の具体案決定を目指す。
上限額は年齢や年収によって異なる。70歳未満は5区分あり、年収約370万~770万円の場合、1世帯当たり1カ月8万円程度。上限額を超えた分は公的医療保険から給付している。
厚労省は部会で、上限額を引き上げ、区分をきめ細かく見直す方針を提示。委員からは引き上げに賛同が相次いだ。高額な医薬品の登場で制度の利用が増え、公的医療保険からの給付が伸びているとして「現役世代の負担増につながっており、年齢ではなく負担能力に応じた負担が重要だ」などの意見が出た。
引き上げにより「受診抑制につながることがないよう低所得者に十分配慮するべきだ」との声も上がった。
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