香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏は、香港の民主化運動を長年、支援してきましたが、「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた」として香港国家安全維持法違反などの罪に問われています。

去年12月に始まった裁判で、黎氏側は全面的に争う姿勢を示していて20日、黎氏本人が初めて証言しました。

黎氏は創業した理由について、1989年に中国・北京で起きた天安門事件がきっかけだとしたうえで「法の支配や民主主義の追求、言論や集会の自由といった価値観を支持し、香港の人たちがより多くの情報を得ることでそうした自由を享受できるよう願っていた」と述べました。

一方で、2019年に起きた大規模な抗議デモをめぐっては「いかなる形の暴力にも常に反対してきた。その立場はリンゴ日報の報道でもそうだった」と述べました。

黎氏は4年前に逮捕・起訴され、複数の裁判で実刑判決を受けて身柄を拘束されたままで、「リンゴ日報」も2021年に発行停止に追い込まれています。

欧米各国は言論の自由への弾圧だなどと強く批判し、黎氏を直ちに釈放するよう求めています。

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