普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、国はことし1月、軟弱地盤のある大浦湾側の区域で代執行に伴う工事に着手し、海への石材の投入などを続けています。
沖縄防衛局は、沖縄本島北部で石材の採掘を行う一方、新たな調達先として、鹿児島県の奄美大島とうるま市の宮城島で環境調査を行ってきました。
これについて、防衛局が20日午前9時前に宮城島の鉱山から石材などの搬出を始めたことが関係者への取材でわかりました。
移設工事に対する抗議活動が続く中、石材の採掘についても反対が根強く、ことし6月には、名護市の安和桟橋付近で石材を運ぶダンプカーに、警備員の男性と抗議活動をしていた女性が巻き込まれ、男性が死亡、女性が大けがをする事故が起きています。
今後、宮城島からの搬出についても反発が強まる可能性があり、防衛局は警備態勢について警察などと協議しています。
国は、今月8日、軟弱地盤に直接くいを打ち込む地盤改良工事の事業者を決めるための入札を始めるなど、工事がより一層本格化しています。
埋め立てに必要な石材の調達計画とは
国は、埋め立て予定地で軟弱地盤が見つかったことを受けて、2020年4月に設計変更を申請した際、埋め立てに必要な石材の量をおよそ1700万立方メートルとしました。
その上で、調達可能だとする地域について、沖縄県外では福岡県や山口県、香川県を外した一方、県内ではうるま市の宮城島、沖縄本島南部、宮古島、石垣島、南大東島の5地区を新たに加えました。
設計変更の申請書によると、現在採掘を行っている沖縄本島北部ではおよそ950万立方メートル、宮城島では30万立方メートル、そして、沖縄本島南部では最も多いおよそ3160万立方メートルが調達可能だとしています。
20日、新たに始まった宮城島からの石材の搬出では、まず、トラックで隣接する沖縄市の中城湾港まで運んだ上で、船で埋め立てが行われている大浦湾まで搬出する計画となっています。
石材の搬出では、これまでに安和桟橋や本部港が使用されてきましたが、中城湾港が使用されるのは初めてです。
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