香川県さぬき市の平賀源内記念館に展示されている「エレキテル」

 江戸時代の発明家で、現在の香川県さぬき市出身の平賀源内が製作した日本最古の摩擦型発電器「エレキテル」が、米国に本部を置く世界最大の工学専門学会、電気電子技術者協会(IEEE)から歴史的偉業に贈る「マイルストーン賞」に認定された。源内の顕彰活動をしてきた地元住民らは「勇気と元気をもらった」と喜んでいる。

 エレキテルは木箱に発電装置が入っており、ハンドルを回して静電気を発生させる仕組み。源内が鎖国下の1776年、オランダから持ち込まれた輸入品を湿度の高い日本で作動するよう改良し復元した。10台以上を作ったとされ、さぬき市の平賀源内記念館と東京都墨田区の郵政博物館に1台ずつ現存している。

 今年9月下旬にマイルストーン賞に認定され、日本の初期の電気研究に影響を与えたと評価された。これまで日本では東海道新幹線やQRコードなどが受賞。世界で280件以上が認定されており、エレキテルはその中で3番目に古い偉業だという。

 源内の遺品保存や、伝承活動をしてきた平賀源内の顕彰会会長尾崎勝さん(65)は「エレキテルの製作から約250年という時を経て世界的な評価を受けたことに感激している。鎖国時代に今の快適な住環境の基礎をつくった源内の発想が注目されるとうれしい」と話している。

香川県さぬき市の平賀源内記念館に展示されている「エレキテル」。左は顕彰会会長の尾崎勝さん=1日

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