福岡県大牟田市の国立病院機構「大牟田病院」で、複数の男性職員が女性患者などに性的な虐待を繰り返していた問題。

発覚から約5ヶ月が経った5月2日、病院側がようやく会見を開きました。

◆大牟田病院 川崎雅之院長
「被害者の皆様、利用者様、ならびにご家族、後見人、関係者の皆様、不安やご心配をおかけして誠に申し訳ありません」

会見で深々と頭を下げたのは川崎雅之院長です。

◆大牟田病院 川崎雅之院長
「非常に重大な不安、身体障害者さまに卑劣な行為をした。なぜこのような案件が複数生じたのか徹底究明したい。非常に重大なことだと受け止めている」

問題が発覚したのは去年12月。

「男性介護士から介護してもらう時に下半身を触られた」と入院患者から病院に訴えがあったのがきっかけでした。

これを受けて病院は、院内で広く聞き取り調査を実施、その結果、看護師と介護士あわせて男性5人が身体的な障害がある男女11人の患者に対して、陰部や胸を触るなどしていたことが発覚したのです。

患者11人の中には全身の筋肉が徐々に弱っていく国指定の難病「筋ジストロフィー」の人もいました。

患者11人のうち、女性4人男性2人のあわせて6人については自治体が「虐待があった」と認定し、1人は虐待認定されませんでした。

残る4人については、現在調査が進められています。

問題発覚後、病院は患者の家族などに説明会をあわせて2回実施。

出席者は怒りを露わにしました。

◆入院患者の関係者(4月24日、説明会の音声データより)
「この問題はね、行政とかあなたたち病院のジェントルマンとレディがいるが、どういう風に見られているか知らないが、一般社会の病院から外に出た世界ではこれは犯罪ですよ。私は司直に通報するべきだと思いますよ。警察に調べてもらわないと分からないんですよ。人権やプライバシーとか言って、うやむやにしたらダメなんです。また第二、第三の虐待が起きます、この病院は」

また病院によると、関与した男性職員は虐待が疑われる行為があったあとも2年以上、直接、入院患者の対応に当たっていたことが分かりました。

なぜこのような卑劣な行為が病院内で繰り返されたのでしょうか。

Q.なぜそのような行為を行ったか追及は?
◆大牟田病院 川崎雅之院長
「そこの聞き取りはやっている。私も通常の行為ではないと。医療行為、介護行為、通常の行為でないと思っているが、その点に対する明確な答えは得られていません。本人は通常の入浴介助だと思ったとしても、それが他者からみれば虐待にあたる行為だと判断されたものもある。色々なケースがある。本人がなぜそんな行為を行ったのかは不明です」

病院によると、関与した5人はこの病院に数年の勤務歴がある経験豊富な職員で、このうち2人は問題発覚後に退職したということです。

◆大牟田病院 川崎雅之院長
「虐待認定された2名は退職はしている」

Q.他の3人については?
「患者に接触しないような形で勤務を継続している」

Q.最初の事案はいつ起こった?
「はっきりはしないが2021年頃となっている。聞き取り調査では最初の事案の方は、それ以降は被害に遭っていないということです。なぜその時点で気づかなかったのかというのが、色んな体制の不備等があったのかと反省している」

Q.加害者同士で口裏合わせをしたりとかは?
「当然そういう目で見られると思いますし、私も考えた。そういうことはないようです。単独で行っていた」

病院はすでに第三者委員会を設置していて今後、原因の究明を進めると共に再発防止策を検討するとしています。

また警察は病院関係者や被害者から話を聞くなど事実関係を確認するということです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。