ピアノの前に座るフジコ・ヘミングさん=2018年4月

 「魂のピアニスト」と呼ばれ、心を揺さぶる演奏で人気を集めたピアニストのフジコ・ヘミング(本名=ゲオルギー・ヘミング・イングリット・フジコ)さんが4月21日死去した。92歳。ベルリン生まれ。葬儀は近親者で行った。関係者がお別れの会を検討している。  今年3月に膵臓(すいぞう)がんと診断され、療養していた。  日本人のピアニストの母とスウェーデン人の建築家の父を持ち、幼少期に来日。母の手ほどきでピアノを始め、東京芸術大に進学。卒業後はベルリンで学んだ。  若い頃に風邪が原因で耳が聞こえなくなる苦難を経験し、その後一部回復した。1999年、NHKのドキュメンタリー番組で半生を取り上げられ、60代後半から人気ピアニストとして活躍するようになった。  アルバム第1作「奇蹟(きせき)のカンパネラ」は200万枚を超える大ヒットを記録、2000年の日本ゴールドディスク大賞の「クラシック・アルバム・オブ・ザ・イヤー」を獲得した。代名詞とされるリストの「ラ・カンパネラ」や、ショパンを愛し、国内外で演奏活動を重ねた。  フジコ・ヘミング財団によると、昨年11月に自宅で転倒し、けがをして以降、治療とリハビリに専念。公演をキャンセルした。


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