江戸時代から続く開運や商売繁盛を願う伝統行事「浅草酉(とり)の市」が5日、東京都台東区千束の鷲(おおとり)神社で始まった。「福をかき込む」とされる縁起物の熊手を扱う約80の出店が境内に並び、参拝客らでにぎわった。

商売繁盛などを願い、縁起物の熊手を買い求める人たちでにぎわう鷲神社の「酉の市」=5日、東京都台東区で(中村千春撮影)

◆「二の酉」は17日、「三の酉」は29日

 七福神や招き猫、来年の干支(えと)ヘビなどの縁起物をあしらった個性的な熊手が並び、買った客に向け、威勢のいい三本締めの手拍子が境内に響いた。明治時代に台東区谷中で創業し、熊手を扱う埼玉県越谷市の「錦徳(きんとく)」の佐藤愛子社長(50)は「来年こそは景気が上向くように」との願いを込めた。  埼玉県川口市の女性(64)は夫が不動産会社を経営。「熊手を買い始めてから悪いことがない。来年も頑張ろうという気持ちになる」と今年も購入した。金色のヘビをあしらった熊手を選んだ静岡県沼津市の会社員白崎飛鳥さん(48)は「福を集めて、仕事もプライベートも活発に過ごしたい」と笑顔だった。  酉の市は11月の酉の日に開かれ「二の酉」の17日、「三の酉」の29日にも開催される。三の酉がある年は火事が多いとされ、境内では火よけのお守りも販売している。(鈴木里奈) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。