軍事転用の恐れのある水上バイクなどをロシアに不正輸出したとして、外為法違反(無承認輸出)などの罪に問われたロシア国籍の貿易会社代表、ソワ・アンドレイ被告(39)に対し、大阪地裁は31日、懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年6月)の有罪判決を言い渡した。

被告が代表を務める貿易会社「アストレード」(大阪市)には求刑通り罰金500万円とした。

中井太朗裁判官は判決理由で、「ロシアとウクライナの紛争で実施されたロシア向け輸出規制という日本の施策を軽視し、税関手続きの適正を損なった悪質な犯行」と指摘。「従業員を守るためや取引先に迷惑をかけないためといった動機は犯行を正当化するものとはいえない」とした。

一方、事実を認めて反省していることなどを踏まえ、執行猶予付き判決とした。

判決などによると、被告は2023年1月、経済産業相の承認を得ずに、取引の規制対象に指定される水上バイクや船舶エンジン、中古バイクなど計27点(約4200万円相当)の最終仕向け地を韓国・釜山と大阪税関に虚偽申告し、ロシアに輸出した。

【関連記事】

  • ・ロシア不正輸出摘発、第三国経由の「制裁逃れ」抑止に一石
関西セクショントップページはこちら

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。