東京 千代田区にあるファンド運営会社「IDIインフラストラクチャーズ」の元代表、埼玉浩史容疑者(61)は、2018年から翌年にかけて、この会社など2つの会社に架空の業務委託費を不正に支出させ、合わせて4000万円余りに相当する損害を与えたとして、29日、特別背任などの疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。

関係者によりますと、これらの支出は元代表の知人の会社への業務委託費の名目で送金されたあと、元代表が実質的に管理するシンガポールの会社に流れた疑いがあるということです。

ファンド運営会社が起こした民事訴訟の記録によりますと、元代表の当時の部下は、こうした資金の流れについて「監査法人などに怪しまれる可能性があったので資本関係のない元代表の知人の会社を介してシンガポールの会社に送金した」などと説明していました。

また、「委託の必要性や業務実態がない支出をした。後付けで契約書を作った」などとも説明していました。

特捜部はこうした説明を把握していて、資金の流れについて解明を進めるものとみられます。

関係者によりますと、元代表は逮捕前の特捜部の事情聴取に対し「業務委託には実態があった」などと容疑を否認していたということです。

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