高知県立高知南高校と土佐清水市立小学校で教員志望者へのハラスメントが相次いだ問題を受け、長岡幹泰・県教育長は12日にあった県立学校長会議で、27分間にわたり訓示をした。ハラスメントの検証結果と今後の対策も説明した。

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 長岡教育長は「県教委の対応が不十分で、3人が教員になる夢を断念した。本当に申し訳なく、おわびする」と謝罪した。

 その上で「県教委は被害者に寄り添った対応ができておらず、猛省しなければならない」と述べ、再発防止策を明らかにした。

 県教委によると、南高校では2021年秋に教育実習生が指導教員から暴言を受けた。22年1月に学校管理職が双方に事情を聴いたが、教員は22年3月に退職。県教委は22年12月にハラスメントと認定した。検証では県教委の対応について、被害者に寄り添った早期の対応ができなかった▽調査結果を実習生側に明確に伝えず、被害者を不安にさせたなどとした。

 土佐清水市立小では20年度に女性講師に「好きです」とメールを送るなどした男性教頭が、校長の指導で女性に謝罪。しかし、教頭はその後も別の女性講師に交際を迫った。22年夏に市教育長らの指導で再び謝罪したが、その後も女性に不適切な発言をした。県教委は23年7月に懲戒免職処分としたが、市教委とともに対応する仕組みを明確にしておくべきだった▽処分に時間がかかりすぎ、加害者を学校現場からはずすなどの対応ができていなかったなどとした。

 県教委は、今後の対策として、ハラスメント事案は県教育長まで速やかに情報共有▽被害者とやりとりする窓口を県立学校は県教委、市町村立学校は市町村教委に統一して2週間に1度は連絡する▽事案発覚から処分まで3カ月を目安とする、などの手順を定めた。

 長岡教育長は盗撮、詐欺、不正受給などの不祥事が22年度に5件、23年度に8件発生したことについても「大変申し訳ない。職員が互いの状況を見てみぬふり、注意もしない生ぬるい組織になっていないか。不祥事案を自分事として考え、取り組んでほしい」と述べた。

 検証内容と今後の対策の詳細は12日、県教委事務局ホームページの「教職員・福利課」部門に掲載した。(蜷川大介)

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