パフォーマンスを最大化するためには栄養素の量や質だけではなく、「いつ食べればいいか」も大切だという「時間栄養学」。
【映像】めちゃくちゃ詳しい! 栄養学について語る古田敦也氏
近年、この時間栄養学は「スポーツ界への応用」も期待されるという。
愛国学園短期大学 家政科 古谷彰子准教授は「体内時計をリセットするために起床後1〜2時間に朝食をとって体のスイッチを押すべきだ。これより遅れると逆に空腹感が増したり、肥満度が高まるという論文もある」と説明する。
??「夜10時からはお肌のゴールデンタイム」は間違い
朝食というと6〜8時頃をイメージするかもしれないが、一概にもそうとは言えない。例えば夜の試合が多いプロ野球は起きる時間を遅らせ、食事のタイミングも一般的な人とは異なる時間帯が推奨されるという。体内時計のリセットには日光が大きく関わっているが、食事や運動で生活リズムを整えることも可能だと古谷准教授は話す。
また、寝る時間帯は栄養を吸収しやすくなるため、脂質を取ると太りやすくなる一方、この特性を逆手にとって体づくりをする“裏ワザ”もある。
「夜の時間帯は副交感神経が働き、リラックスすると胃や腸の働きが活発になって吸収しやすい時間帯。例えばアスリートが筋トレをした後、体の修復を助けるために必要なビタミンやミネラルをこの時間帯に摂ることで効果が高まる」(古谷准教授)
アスリートだけでなく、勉強や仕事に取り組む人々も時間栄養学を取り入れることでパフォーマンスの向上が期待できる。大切なのは、何時に食べるかではなく、自分の生活リズムから逆算して考えることだと古谷准教授は話す。
「例えば『夜10時からはお肌のゴールデンタイム』などと言われるが、実際には就寝の1時間後に深い睡眠に入ることで成長ホルモンを多く分泌させることが大切なのだ。あまり『○○は何時』とこだわらず『起きてから何時間後』『就寝何時間前』に着目した方が体にとっても楽なのだ」
??プロ野球選手は朝食11時、昼食16時?
時間栄養学について、野球解説者の古田敦也氏は「時間栄養学という言葉は知らなかったが、僕も周囲も古谷准教授が説明されたような生活を何十年も前から実践していた。プロ野球はナイトゲームが多いため、試合終了は21時半頃、家に帰るのと22、23時。それから夕食をとるため寝るのは夜中の2時、3時になる。すると当然起きるのも10時頃。その後、11時頃に朝食、試合前の16時頃に昼食。途中で間食もするが基本的にはそんな生活だった」と振り返る。さらに選手時代は「朝寝るのも仕事だった」という。
「日の光が部屋に入ってきたら困るため、我が家は“超遮光カーテン”で真っ暗。そしてぐっすり寝て成長ホルモンの分泌を促していた」
(『ABEMAヒルズ』より)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。