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 関東中心に相次いでいる強盗事件。実行犯たちが犯罪に手を染めるきっかけとなっているのが、闇バイトへの応募だ。若者たちを短期間で凶悪な犯行へと向かわせる、闇バイトのリクルーターを犯罪ジャーナリストの石原行雄氏が取材した。

■闇バイトのリクルーターに接触

 SNSにあふれる「闇バイト」の募集。

 石原氏が、SNSを通じて闇バイトのリクルーターに接触。具体的な内容を質問すると、すぐにリクルーターは、秘匿性の高いメッセージアプリ「テレグラム」を使うように誘導。ここから、闇バイトへの勧誘が始まる。

闇バイトのリクルーター
「どんな案件探してましたか?」 石原氏
「できれば高額案件だとありがたいです」

 高額案件を探していると伝えると…。

闇バイトのリクルーター
「UD(受け子・出し子)、運び、たたき(強盗)、窃盗、かけ子、口座レンタル、携帯SIM、ローン案件」 石原氏
「(Q.たたき(強盗)がありますね)もう、犯罪しかないですね」 闇バイトのリクルーター
「どちらの案件ですか?リスクある分、高額にはなりますが」 石原氏
「一番稼げるお仕事はどれでしょうか?」 闇バイトのリクルーター
「かけ子です」

 リクルーターがすすめてきたのは、振り込め詐欺などの電話を掛けて相手をだます「かけ子」。さらに…。

闇バイトのリクルーター
「パスポートはお持ちですか?」 石原氏
「これは海外に誘っているんだと思います」
「はい、持っています。海外の場所はどこになりますか?」 闇バイトのリクルーター
「カンボジアです!」

 報酬の金額を聞いてみると…。

石原氏
「まず、お給料の額など教えていただくことは可能ですか?」 闇バイトのリクルーター
「1カ月300万です!」  カンボジアを拠点に行う、かけ子の闇バイト。提示してきた報酬は、なんと1カ月300万円。 闇バイトのリクルーター
「業務内容は、こちらが用意するマニュアル通りに仕事をしてもらうだけです!テレアポですね!」
「身分証等、提示お願いします!」  犯罪という印象を持たせないためか、詐欺電話のかけ子をテレフォンアポインターと表現するリクルーター。そして、すぐに身分証の提示を求めてきた。 石原氏
「(Q.身分証を相手が求めてくるのは定石ですか?)そうですね。そこでまず、首根っこを押さえてしまおうということ。おそらく、このスピード感で(返事が)返ってきたということは『こいつは犯罪の名前を出しても全然やる気だから、引き入れられるぞ』ということだと思うんですね」

 そこで、業務内容について詳細を聞くために、石原氏が電話を掛けてみると…。

石原氏
「(通話)拒否設定になっているんですね」

 電話を拒否したリクルーター。その後、このようなメッセージが送られてきた。

闇バイトのリクルーター
「通話だとどうしても履歴が残ってしまうので、リスク面的にも厳しいです」

 相手を警戒しているのか、リクルーターは直接話すことを拒んだ。

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■闇バイト蔓延「友人退学」「受け子で逮捕」

■闇バイト蔓延「友人退学」「受け子で逮捕」

 首都圏で相次いでいる闇バイトで実行役を募った強盗事件。千葉県市川市の住宅に複数の男が押し入り、住人の女性が連れ去られた事件で逮捕された藤井柊容疑者(26)と、高梨謙吾容疑者(21)。

 2人は奪ったキャッシュカードの暗証番号を聞き出すため、女性を連れ去ったとみられている。

 その後、コンビニのATMから金を引き出していたが、そのATM付近に残っていたレシートに、藤井容疑者の指紋が付着していたことが分かった。

 SNSで闇バイトの実行犯を募ったとみられる一連の強盗事件。SNSでアルバイト情報に触れるのは若者の間では珍しくないという。 大学生
「(SNSでアルバイトを探すことを)やったことありますけど。自分のやりたい職業、アパレルのバイトをしたかった時は『アパレル求人募集』ってかけて、求人募集出てくるのを探して」 大学生
「(SNSでアルバイト募集を)ちょっと目にしたことはあります。ちょっと違うかなと思って、やめておきました」  SNSで直接アルバイトを探した経験があると答えた大学生は32.1%。高校生に至っては46.6%という結果だった。

 SNSには闇バイトの募集とみられるものも多数あるという。

大学生
「この作業すれば何万円一日で稼げるみたいな。怖いなって、闇バイトかなって」 大学生
「(Q.巻き込まれそうになったり聞いたりしたことは?)あったよね。聞いたことがあった、結構。夏休みに(闇バイトに)関わって、2学期に来られなくなった。退学です」

 中には、友人が闇バイトで逮捕されたと話す人もいた。

アルバイト(20代)
「友人が学費を稼ぐために、そこ(闇バイト)に入って捕まった子がいました。(友人は)週6で3つのアルバイトでやっていた。生活が厳しいということで、毎月やっていたので。それで大丈夫かなと思っていたが気づいたら」

 友人がSNSで見つけた闇バイトは、受け子だったという。

アルバイト(20代)
「『1回の仕事でめちゃめちゃ稼げる』みたいなのを聞いて、実際にそっちに行ってしまった。新宿で受け取ってリーダーの人に渡すみたいな募集だったらしくて。たまたま大久保公園で見つかって捕まった」

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■闇バイト強盗…“地方案件”とは?

■闇バイト強盗…“地方案件”とは?

 闇バイトで実行犯を募る強盗事件は首都圏以外にも。21日、山口・光市では強盗に入る目的で工具などを持っていたとして、少年3人が逮捕された。

 少年らはいずれも関東在住の10代で、中には14歳の中学生も含まれていた。3人に面識はなく、SNSから闇バイトに応募したという。

 首都圏だけでなく、地方にも広がりをみせている闇バイトによる犯行。こうした傾向について石原氏は、次のように話す。

石原氏
「今、闇バイトかいわいで“出張案件”という言葉が非常にはやっている。例えば東京在住の闇バイト応募者を東京で犯罪をさせるのではなくて、地方に派遣して、そこで特殊詐欺とか、あるいは強盗をさせるという案件です」

 犯罪に加担させるために、こんな巧妙な手口もあるという。

石原氏
「まず新幹線代や飛行機代を全部こちらで出します。滞在費もホテル代も出します。さらに一日2食まで、1回1000円分の食費も支給しますと言う。夏祭りの大きなイベントがある、若い人が何人か一緒に集まっているっていうので、イベントのアルバイト仲間かなと思ったら、実はそれが強盗でしたみたいなこともありえる」

■恐怖内幕…被告が語った暴力の全容

 おととしから去年1月にかけて発生した「ルフィ」などを名乗る指示役による、一連の強盗事件。去年1月、東京・狛江市の住宅で90歳の女性が死亡した事件で、強盗致死などの罪に問われているのが、永田陸人被告(23)。

 永田被告は、女性宅に侵入し住人の女性をバールで殴るなどして死亡させたうえ、高級時計などを奪った罪などに問われている。

 23日の被告人質問で明らかになったのは、被害者を死亡させるほどの暴行に至った事件の全容だった。 永田被告
「『詐欺ばばあ案件』というグループトークに4名の実行役が加わった。誰が描いたかは分からないが、地下室の経路を描いた図面が送られてきた」

 ターゲットは投資詐欺で金銭を稼いでいる女性だと聞かされていた永田被告は、金のありかを聞くために暴行したという。

永田被告
「被害者の胸倉をつかみ、右こぶしで顔を殴った」

 しかし、女性が金のありかを答えないと…。

永田被告
「『金のありかはどこだ、さっさと言え』と3、4回サッカーボールを蹴るように思い切り蹴った」

 さらに、他の実行役にバールで殴るよう指示し、女性の全身をバールで6回から8回殴ったという。

 それでも金のありかを答えない女性の写真を永田被告は、指示役に送信。すると、返って来たのは…。

指示役
「あちゃー、人違いですね」

 あまりにも、ずさんな犯行だった。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年10月24日放送分より)

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