警視庁と神奈川、千葉、埼玉3県の警察による合同捜査本部が設置された連続強盗事件。横浜市の住宅で男性が殺害されるなど、戸建てを中心に14もの事件が立て続けに発生し、これまでに32人の逮捕者が出ている。複数の容疑者の供述からSNSで募集された「闇バイト」の存在が明らかとなった。
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闇バイトは、SNSなどを通じて短時間で高収入が得られるなどと甘い言葉で募集をかけ、中には大手のバイトサイトにも掲載されているという。何も知らずに応募して現場に行くと、身分証などを取られ、弱みを握られ、気が付いたら犯罪組織の手先として利用されてしまう。途中で引き返すことはできないのか、なぜ凶悪犯罪に加担をしてしまうのか。『ABEMA Prime』では、闇バイトについて考えた
■「怪しいと思う人は途中でやめる。それでも連絡する人をシグナルやテレグラムに誘導」
一連の強盗事件について、警察は匿名・流動型犯罪グループ、通称トクリュウによる犯行とみている。この集団は、固定メンバーではなく、SNSなどで緩やかに結びつき、多様な犯罪に関与している。指示役・実行役などの役割を細分化し、闇バイトであることは隠して募集をかける。やり取りは秘置性の高い「シグナル」「テレグラム」などのSNSを使用している。元警視庁公安捜査官、防犯コンサルタントの松丸俊彦氏は「最初はインスタグラムや一般的な広告で誘い、怪しいと思う人は途中でやめる。それでも連絡する人をシグナルやテレグラムに誘導している」と説明。
素人が殺人までしてしまう背景について、「自分が主人公という意識がない」といい、「お手伝いしている、見張り程度、車を運転する程度だと思ったら、非常に重い結果だったというのが実情だと思う」との考えを述べた。
逮捕された実行役の供述によると、途中で犯罪に加担すると気づき恐怖を感じたが、個人情報を指示役に知られ仕返しや家族に危害が加えられると思い断れなかったという。
松丸氏は「(個人情報を犯罪グループに)出してしまった後でも、警察に相談してほしい」といい、「警察が24時間守ってくれるのか、そういう不安は常にあると思う。それも含めて相談してほしい。引き返して狙われる危険もあれば、実行した後に失敗して狙われる可能性もある。危険は常につきまとってくるので、早い段階で引き返してほしい」と訴えた。
■“闇バイト”という言葉は軽すぎる?
闇バイトと称した凶悪犯罪に加担した場合、強盗罪は5年以上の有期懲役(執行猶予がつかず初犯で実刑の可能性大)、強盗致傷は無期もしくは6年以上の懲役、強盗致死は死刑もしくは無期懲役(無期の場合、30年以上の刑期)になる。SNSでは「闇バイトって緩い言葉で認識も緩くなる。騙され犯罪に手を出し一生を棒に振る」「手口が進化している。高度に仕組まれた詐欺と同じ。詐欺ならお金を取られて終わりだが 闇バイトは人生が終わる」などの声があがっている。
松丸氏は「言葉が罪の重さを薄めているところはある」といい、「呼び方は“違法バイト”や“強盗”など、ストレートでいいと思う」と話す。
コラムニストの小原ブラス氏は「もう啓蒙していかないといけない。メディアはできてきていると思う。でも、メディアを見ていない層に、どうやって届けるかが次のステップで大事になってくるんじゃないか」との見方を示した。
(『ABEMA Prime』より)
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